【ロンドン=板東和正】英国の欧州連合(EU)離脱の行方を占う英下院(定数650)総選挙の投票が12日、始まった。即日開票され、深夜以降(日本時間13日)に大勢が判明する見通し。早期離脱を訴えるジョンソン首相の与党・保守党が過半数の議席を獲得できるかどうかが最大の焦点となる。
保守党は、来年1月末の期限までに離脱するため、EUと合意した離脱協定案の関連法案審議を12月中に再開するとの公約を掲げる。ジョンソン氏は11日、ロンドンで演説し、「離脱を実現して、英国という素晴らしい国を一緒に前進させよう」と支持者に訴えた。
一方、最大野党・労働党は離脱方針の是非を国民投票で改めて問う公約を示し、保守党の離脱方針に懐疑的な層の取り込みを図っている。
保守党が単独過半数を獲得できれば、離脱協定案が議会で承認され、英国が来年1月末にEUを離脱する公算が大きくなる見通しだ。ただ、過半数に届かなければ、政局が混乱し再び離脱の道筋が見通せなくなる恐れがある。
10日時点の保守党の支持率は43%で、労働党の34%とは9ポイント差。下院解散前の11月1日には12ポイント開いていた両党の差は、少しずつ縮まっている。総選挙は医療問題も重要争点になっており、患者が無料で医療を受けられる国営医療制度「NHS」の予算を260億ポンド(約3兆6300億円)拡大することを公約とする労働党が貧困層や高齢者らの支持を拡大する可能性も指摘されている。
総選挙はメイ前政権下の2017年6月以来。EU離脱をめぐる政治混迷が続く中、7月に首相に就任したジョンソン氏にとり、総選挙は国民に初めて評価される「審判の場」となる。