8月18日に放送されたTBS系『CDTVライブ!ライブ!』で幕を開けた新企画「名曲ライブ!ライブ!fromワールド」が、大きな物議を醸しています。日本の名曲を海外アーティストがカバーするという意欲的な試みでしたが、初回にMrs. GREEN APPLE(通称:ミセス)の代表曲『青と夏』が披露されると、そのパフォーマンスに対しネット上で賛否の声が巻き起こりました。
「名曲ライブ!ライブ!fromワールド」初回、ボイネクが『青と夏』を熱唱
新企画「名曲ライブ!ライブ!fromワールド」は、日本の音楽が世界で注目されている背景から生まれました。海外アーティストが邦楽をカバーする現象に着目し、その魅力を伝える意図が込められています。記念すべき第1回目のカバーアーティストとして登場したのは、韓国の6人組グループ「BOYNEXTDOOR」(通称:ボネクド)でした。
アメリカのビルボードチャートTOP200に4作連続でランクインするなど、世界中で人気が急上昇しているボネクド。彼らが今回カバーした楽曲は、Mrs. GREEN APPLEが2018年8月にリリースしたヒット曲『青と夏』でした。この曲はストリーミング再生数5億回を突破するなど、ミセスの楽曲の中でも特に多くの人々に聴かれている一曲です。
ネット上で沸き起こった「歌唱力」への厳しい声
ボネクドによる『青と夏』の熱唱に対し、インターネット上では様々な意見が飛び交いました。特に目立ったのは、歌唱力に対する厳しい声でした。
《ミセスの青と夏を知らない人が歌っているが下手すぎ》《素人と比べたらそりゃうまいけど、普段モトキで聴いているから…》《世界で活躍するアーティスト名乗って青と夏歌うなら、日本語下手だとしてもせめて音程くらいは合っていてほしかった》といったコメントがSNSなどに投稿され、初回から海外アーティストによる邦楽カバーの“壁”が浮き彫りになる形となりました。
なぜ批判が?ミセスファン心理と大森元貴の唯一無二の歌声
今回の反響について、ある音楽雑誌の編集者は次のように分析しています。「番組中のナレーションで『“青と夏”は韓国でも人気』と紹介された通り、ボネクドはリスペクトの気持ちを込めて、忙しい合間を縫って練習したはずです。一方で、ミセスのファンにとっては、普段聴き慣れないアーティストが歌番組で自分の好きな曲を歌っているのを見て、『誰が歌っているのか』という違和感が先に立ち、それが反発につながったのではないでしょうか」。
ステージで演奏するMrs. GREEN APPLEのメンバー。代表曲『青と夏』の人気の背景を象徴。
さらに、Mrs. GREEN APPLEのボーカル、大森元貴のハイトーンボイスは唯一無二であり、日本の歌手にとっても再現が非常に難しいとされています。編集者は「ボネクドも透明感のある歌声で魅了していましたが、やはりミセスファンは大森さんのあの高音と比べてしまったのでしょう」と指摘します。もちろん、《本家は本家、カバーはカバー》という意見や、挑戦したこと自体を評価すべきだという肯定的な見方も存在しました。
音楽は国境を超えると言われますが、邦楽カバーという挑戦には、アーティスト側の入念な準備と、聴き手の多様な受容性が求められることを改めて示唆する出来事となりました。
参考文献:
Mrs.GREENAPPLE『青と夏』、TBSの番組新企画でまさかの“炎上”!「下手すぎ」「音程くらいは合っててほしかった」海外アーティストのカバーに厳しい声 – Yahoo!ニュース