2025年4月から6月にかけて放送されたドラマを対象に開催された「第124回ザテレビジョン・ドラマアカデミー賞」において、女優の芳根京子がフジテレビ系ドラマ『波うららかに、めおと日和』で主演女優賞を見事受賞しました。この作品は、昭和初期を舞台にしたハートフルな新婚ラブコメディとして多くの視聴者を魅了し、芳根の繊細かつ力強い演技が高く評価されました。彼女の受賞は、ドラマの温かい世界観とともに、その卓越した演技力が改めて認められた証と言えるでしょう。
昭和の純粋な新妻を熱演、感情豊かな演技が高評価
『波うららかに、めおと日和』は、昭和11(1936)年を舞台に、交際ゼロ日で結婚した新婚夫婦の甘酸っぱい日常を描いた「ハートフル・昭和新婚ラブコメ」です。芳根京子は、恋愛経験も男性への免疫も全くない中で、帝国海軍の瀧昌(たきまさ)と結婚することになった主人公・江端なつ美を演じました。その演技は、なつ美の純粋な感情が視聴者にダイレクトに伝わるとして、特に高い評価を獲得しました。
ピュアすぎるあまり、時にあざとく見えてしまいかねない瞬間も、芳根は絶妙なラインで可愛らしく演じ切り、最後には海軍軍人の妻として成長していくなつ美の姿を見事に表現しました。この役柄の多面性を巧みに演じ分けたことが、今回の受賞に繋がった主要な要因です。
芳根京子、『波うららかに、めおと日和』で主演女優賞を受賞し喜びの表情
「ターニングポイント」作品での受賞に喜びと挑戦を語る
今回の受賞を受けて、芳根京子は「私にとってターニングポイントとなったこの作品で、『表参道高校合唱部!』(2015年、TBS系)以来の主演女優賞を受賞できてうれしいです」と喜びのコメントを寄せました。
撮影を振り返り、彼女は「視聴者の皆さんに飽きずに見てもらうためには…と考え、コミカルな場面でも『攻めていかなきゃ』と思いました」と、役作りへの意気込みを明かしました。一方で、なつ美の純粋さや、夫である“瀧昌さま”を精一杯思う姿を可愛らしく見せたいという思いがあったと語ります。しかし、「その可愛さがあざとく見えないように演じることが一番の課題」であり、時には監督と相談し、テンションの調整を行うこともあったと、演技に対する真摯な姿勢を明かしました。
視聴者を魅了した“なつ美”の多様な表情
表情豊かななつ美の可愛らしさに魅了された視聴者は多く、投票コメントには「全話通して、なつ美さんのはじける笑顔、驚いた顔、泣き顔、怒った顔、ヤキモチ顔、酔った顔など、さまざまな感情を表現していた。特にはじける笑顔は最高です!」といった声が寄せられました。また、「表情や動きが可愛らしいのはもちろん、涙を流す場面や決意をした強い意志を持った表情なども印象的で、なつ美の気持ちがとても伝わってきました」と、多岐にわたる感情表現が高く評価されました。芳根が演じたなつ美は、視聴者の心に深く響くキャラクターとして記憶されています。
夫役・本田響矢との絆と感動のクランクアップ
なつ美と瀧昌の夫婦模様について、芳根は「最終回になっても初々しい2人の関係に大満足。なつ美は瀧昌というかけがえのない人ができたから強くなれたし、互いに思い合う2人を見ていると、『結婚って素敵だな』と思いました」と、作品への深い愛情を語りました。
その瀧昌を演じた本田響矢も助演男優賞を獲得しており、芳根は彼の魅力について「とても真面目で一生懸命な人。ちょっと天然なところもあって、それが愛される魅力になっている。現場で相談しながら一緒に役を作っていきました。本田くんは本当に瀧昌という役を愛していたし、なつ美のことも大好き!でしたね」と笑顔で振り返りました。
クランクアップ時のエピソードも明かされ、「本田くんが先に花束をもらい号泣しているのを見て、『頑張ったね~』と思っていたら、3分後には私も号泣しちゃいました(笑)。寂しさというより、温かさが胸に込み上げてくるような涙でした」と、共演者との絆と作品への思い入れの深さを語りました。
芳根京子の主演女優賞受賞は、『波うららかに、めおと日和』が単なるラブコメに留まらない、人間ドラマとしての深さを持っていたことを証明するものです。彼女の才能と努力が結実したこの受賞は、今後のキャリアにおけるさらなる飛躍を期待させます。
参考文献
- ザテレビジョン. (2025年8月22日). 第124回ドラマアカデミー賞で「波うららかに、めおと日和」芳根京子が主演女優賞を受賞. Yahoo!ニュース. https://news.yahoo.co.jp/articles/eded67285d70c8761b1f564e31a53d2c45b07799