蒼井優、中学退学の過去を激白 「アニー」出演と芸能活動の葛藤を語る

女優の蒼井優さん(40)が、24日放送のTOKYO FM「木村拓哉 Flow」(日曜前11・30)に出演し、自らの人生における大きな転機、特に受験して入学した私立中学校を退学したという過去について赤裸々に語りました。子役時代から芸能活動を始めた彼女が、どのようにしてその困難な選択と向き合い、現在の女優としての道を切り開いてきたのか、その知られざる経緯が明らかになりました。

女優の蒼井優さんが「木村拓哉 Flow」出演時に語った中学退学の経緯女優の蒼井優さんが「木村拓哉 Flow」出演時に語った中学退学の経緯

「アニー」オーディション、5年越しの夢と友情

1999年、ミュージカル「アニー」のポリー役で芸能界デビューを飾った蒼井さん。この役を射止めるまでには、実に5年連続でオーディションを受け続けたという、並々ならぬ努力がありました。彼女にとってオーディション会場は、何百人もの同世代の子どもたちが集まる場所であり、長い待ち時間を通じて多くの友達ができる社交の場でもあったと振り返ります。「来年もここで集まろう」という約束が、まだ携帯を持たない小学生にとって、友人たちとの再会を期する大切な場所だったのです。そのため、オーディションを受けるというよりも、「みんなと集まる場所」という感覚が強かったと語ります。木村拓哉さんからの「5回目でこれまでとは違う分かれ道になった時、何か違ったか?」という問いに対し、蒼井さんは「全く何も変わらず」とさらりと答えました。

私立中学校での葛藤と「休学」の特例

しかし、5回目にしてついに「アニー」の合格を勝ち取った蒼井さんを待っていたのは、喜びだけでなく、思わぬ大きな問題でした。当時、中学1年生だった彼女は、受験勉強の末に私立中学校に入学していました。その学校は芸能活動を厳しく禁止している規約があり、合格した喜びと共に「まずい、どうしよう」という焦りが募ったと言います。「受かると思ってなかったので、やっぱなんか考えが足りてないんですよね」と笑いながら当時の心境を明かしました。

「アニー」の公演と稽古は東京で行われるため、蒼井さんは福岡から上京する必要に迫られました。幸いなことに、学校側は「たまたま『アニー』だけは子供たちに夢を与える作品だから」という理由で、異例の「休学」扱いを認めてくれました。本来であれば退学となるケースですが、特別に許可され、休学期間中は学校から送られてくる問題集などで勉強するよう求められたそうです。この学校側の温かい配慮は、彼女の夢を繋ぐ大きな助けとなりました。

芸能界への本格的な第一歩、そして「退学」

「アニー」出演後、共演者である24人の子どもたちとの友情が芽生えた蒼井さん。公演が終わって福岡に帰れば、みんなに会えなくなるという寂しさから、彼女たちは「他のミュージカルのオーディションを受ける」という話をしていました。蒼井さんも「そこに行けばみんなに会える」という思いから、東京の事務所に所属しないとオーディションを受けられないと聞き、登録する感覚で東京の事務所に名前を連ねたのです。「あんまり深く考えてなくて、事務所に所属して、福岡帰って」と、この時点ではまだ芸能活動を本格的に続けるとは考えていなかったようです。

ところが、これが再び学校との問題を引き起こします。福岡に戻り、学校側に「もう一度、学校に通わせてください」と願い出た際、「事務所に名前は登録したんですけれども、活動はしませんので」と正直に話してしまいました。しかし、学校側からは「ダメだ」と告げられ、結果的に退学となってしまったのです。「そらそうですよね。それはもう本当に『おっしゃる通りです』って感じだったんですけど」と苦笑する蒼井さん。こうして、彼女は福岡に戻る学校を失ってしまいました。

東京への転居と女優の道へ

学校を失った蒼井さんは、休学中に一時的に通っていた東京の公立中学校に戻るしか道がありませんでした。中学2年生だった彼女は、そのまま東京で中学3年生までを過ごすことになります。当初は福岡で高校受験をする予定でしたが、その計画を変更し、東京に留まることを決意したのです。この東京への転居と、それに伴う環境の変化こそが、現在の女優としての活動が続いている大きなきっかけになったと蒼井さんは語ります。家族会議で「なんかもうそうするしかないね」と話し合ったという当時の状況を振り返りつつも、「いまだにでも、何だったんだろうね、とはなってます、家族で」と、その選択の重みを語りました。

「人生で一番恥ずかしかった」過去の回想

東京の中学でも、一度は「本当にお世話になりました」と別れの挨拶をしていました。そのため、退学が決まって休み明けに再びその学校に通い始めた時には、「恥ずかしくないですか?私、人生で一番恥ずかしかった」と照れ笑いを浮かべました。子役として輝かしいキャリアをスタートさせた裏には、学校生活との両立に悩み、時には周囲の理解を得られず苦渋の選択を迫られた蒼井優さんの、人間味あふれる葛藤があったのです。

蒼井優さんのこのエピソードは、夢を追いかけることの難しさ、そして予期せぬ選択が人生を大きく変えるという現実を浮き彫りにしています。彼女の経験は、多くの人々にとって、自らの選択と向き合う勇気を与えてくれるでしょう。

参考文献