石川県産新米「ゆめみづほ」記録的高騰:5キロ4622円、「令和の米騒動」再燃か

石川県産の早生(わせ)品種「ゆめみづほ」の新米が店頭に並び始め、消費者の間で大きな関心を集めている。昨年の「令和の米騒動」とも称された米価高騰の始まりと比べ、5キロあたり約1700円も高い水準にあり、価格は高止まりする見通しだ。流通価格の指標となるJAの「概算金」が大幅に引き上げられたことに加え、少雨による流通量の減少も懸念されており、今後の米価動向に注目が集まっている。

新米「ゆめみづほ」記録的な高騰、消費者困惑

金沢市のスーパーマーケット「どんたく西南部店」のコメ売り場では23日、「ゆめみづほ」の新米5キロが約50袋積まれていた。しかし、その価格は昨年の販売開始時のおよそ1.6倍にあたる「4622円」。買い物客は足を止めるものの、多くの人が購入をためらっている状況だ。ある75歳の主婦は、「新米を食べたいと思ったけれど、値段があまり下がらない。せめて3500円くらいだったら嬉しいのに」と話し、購入を見送った。

金沢市のスーパー「どんたく西南部店」に並べられた高騰した石川県産の新米「ゆめみづほ」金沢市のスーパー「どんたく西南部店」に並べられた高騰した石川県産の新米「ゆめみづほ」

県内12店舗のスーパーを運営するどんたく(七尾市)は、20日から新米の販売を開始した。JAを介さずに卸業者からコメを仕入れているが、その価格は昨年産の銘柄米とほぼ同じ水準であるという。担当者は「少雨の影響などで店に回ってくる分が少ないと聞く。今後9月以降に『コシヒカリ』などの新米も登場するが、その価格も『ゆめみづほ』と同程度か、さらに100円ほど上がる可能性もある」と述べ、米価高騰の長期化を示唆している。

高止まりの背景:概算金大幅引き上げと集荷競争

販売現場から米価の高止まりが予想される背景には、JAがコメを集荷する際に農家へ前払いする「概算金」が大幅に引き上げられた事情がある。

県内のJA関係者によると、JA全農県本部が各JAに提示した概算金は、1等米60キロあたりで「コシヒカリ」が2万5200円、「ゆめみづほ」が2万4300円、「ひゃくまん穀」が2万7000円となり、昨年比で約5~6割もの大幅な上昇を見せている。この算出根拠には、肥料代や燃料費といった生産コストの顕著な上昇が挙げられる。さらに、JAを通さずにコメを確保しようとする卸業者との間で集荷競争が激化しており、これが概算金の上乗せに繋がったとみられる。概算金が増加すれば、JAを介さない卸業者も買い取り価格を引き上げざるを得ず、結果として店頭での販売価格も高騰する構造となっている。加えて、今年の少雨が収穫量や流通量に与える影響も懸念され、複合的な要因が米価を押し上げている状況だ。

結論

石川県産の新米「ゆめみづほ」の記録的な高騰は、「令和の米騒動」の再燃を予感させるものとなっています。生産コストの増加、激しい集荷競争、そして気象条件の影響が複合的に絡み合い、概算金の大幅な引き上げを招きました。これにより、スーパーなど店頭での販売価格も高止まりしており、消費者の家計に大きな影響を与えています。今後登場する他の品種についても同様の価格傾向が予測されており、米価の動向は引き続き日本経済と国民生活にとって重要な課題となるでしょう。


参考文献