元明石市長で参議院議員の泉房穂氏(62)が、文化放送の「大竹まこと ゴールデンラジオ!」に出演し、久々に国政の場に戻った心境を率直に語りました。7月の参院選で兵庫選挙区から無所属で立候補し、82万票を超える圧倒的な支持を得て当選。衆議院議員を務めた2005年以来となる国政復帰を果たした泉氏は、日本の政治現状、特に永田町の「空気感」に対し、鋭い洞察と危機感を表明しています。
文化放送「大竹まこと ゴールデンラジオ!」に出演し、国会復帰の心境を語る泉房穂氏
国政復帰の背景と「行動する政治」への覚悟
明石市長として12年間、独自の政策で子育て支援などを実現し、その手腕が注目されてきた泉氏。テレビ番組ではコメンテーターとして、歯に衣着せぬ発言で多くの視聴者を惹きつけました。今回の参議院選挙での国政復帰は、単なる批判に終わらず「立場を変わってもらって、実行して初めて国民の生活は救われる。そこまでやらないと政治の意味がない」という強い覚悟の表れです。彼は、政治家が批判するだけでなく、具体的な行動を通じて社会を変えることの重要性を強調しており、自身の経験から導き出された「行動する政治」への決意を示しています。
永田町の「空気感」に愕然、20年前との比較
泉氏は、かつて衆議院議員として活動した20年前と現在の国会を比較し、「昔よりひどいですな。ひどいです」と繰り返し、その現状に強い失望感を表明しました。彼が指摘する「ひどさ」の核心は、「政治家が自分たちの社会、国民でもいいけど、救えるとか助けられると本気で思っている人が、ゼロとは言いませんけど、少なすぎて」という点にあります。一体何のために国会議員になったのか、という根源的な問いを投げかけるほどの、永田町に漂う無力感や変革への意欲の欠如に、泉氏はあぜんとしたと述べています。これは、政治家の「専門性」や「経験」が真に国民のためになっているのかという、信頼性に関わる問題提起でもあります。
民意が示す「新しい政治」への渇望
昨年の衆議院選挙に続き、今回の参議院選挙でも与党が過半数を割り込む結果となり、「民意は衆議院も参議院も与党過半数割れなんですから」と泉氏は分析します。この選挙結果は、国民が既存の政治に対する不満を抱き、新たな政治のあり方を求めている明確なメッセージであると彼は指摘。しかし、「だったら新しい政治を始めればいいのに、本気で始めようと思っている人、何人いるんだろうという感じがもったいないですね」と嘆き、民意が示す変革への期待と、国会内の政治家の意識との間に大きな隔たりがある現状に警鐘を鳴らしました。これは、政治における「権威」と「信頼」が揺らいでいることを示唆し、より責任ある行動が求められることを意味します。
泉氏の発言は、日本の政治が直面している課題、特に政治家一人ひとりの意識改革の必要性を浮き彫りにしています。国民の期待に応え、「行動する政治」を実現するためには、永田町に漂う「空気感」を変え、真に国民生活の向上に貢献しようとする政治家が増えることが不可欠だと言えるでしょう。