米国で「霊的妄想」の夫婦、4歳児を湖に投げ入れ死亡、夫も溺死

米国オハイオ州のアットウッド湖で、霊的な妄想にとらわれた夫婦が引き起こした痛ましい事件が発生しました。夫は「信仰心を試す」と称して湖に飛び込み溺死し、妻は4歳の幼い息子を湖に投げ入れ命を奪いました。この悲劇は、信仰の誤った解釈がもたらす危険性を浮き彫りにしています。

オハイオ州での悲劇的事件を象徴する米国旗オハイオ州での悲劇的事件を象徴する米国旗

オハイオ州アットウッド湖での悲劇

この衝撃的な事件は、米国メディアFOX8などの報道により明らかになりました。オハイオ州タスカラワス郡にあるアットウッド湖で、地元住民のマーカス・ミラーさん(45歳)と、その息子ヴィンセント・ミラー君(4歳)が遺体で発見されたのです。オービス・L・キャンベル保安官が担当するこの事件は、マーカス・ミラーさんと妻Aさん(40歳)、そして4人の子どもたちが23日にアットウッド湖を訪れた際に発生しました。

一家はアーミッシュ系のキリスト教信者で、「キリストを信じることで恵みにより救われる」という信仰に強く傾倒していたとされます。この強い信仰心が、今回の惨劇の背景にあると考えられています。

「信仰を試す」行為から惨事へ

事件当日、夫婦は「信仰を証明するため」に湖へ向かいました。彼らは「神から複数の使命を授かった」と信じ込み、湖に飛び込んで遠くまで泳ぎ戻ることで信仰心が証明されると考えていたようです。しかし、この試みがうまくいかなかったことで自らに失望したと伝えられています。

最終的に、夫のマーカスさんは再び湖に飛び込み、そのまま行方不明となりました。その後、妻Aさんはゴルフカートに子どもたちを乗せて湖岸を移動し、「神に息子を捧げる」と言いながら、4歳のヴィンセント君を湖に投げ入れたのです。さらに、彼女は18歳の双子の息子たちと15歳の娘にも「順番に湖に飛び込め」と命じたとされています。

妻の自供と法的措置

4歳の息子と夫が行方不明となった後、Aさんは水から上がってきた他の子どもたちに対し、「桟橋に横たわって、手を水につけなさい。そして末っ子と父親のために祈りなさい。2人はこの世を去り、天国に行った」と語ったとされています。

Aさんはその後、自ら全ての犯行を自供しました。検察は彼女を加重殺人罪で起訴する予定であり、児童虐待容疑も検討していることを明らかにしています。現在、10代の子どもたち3人は郡当局の保護下で生活しており、この悲劇は家族に深い傷跡を残しました。

この事件は、宗教的狂信や霊的妄想が個人の精神状態に与える影響、そしてそれが家族にもたらす恐ろしい結末を改めて突きつけるものとなりました。


参考文献: