中露首脳会談、対西側共闘を強化:「戦勝国」の立場強調し国際秩序を主導へ

中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領は2日、北京の人民大会堂で会談し、両国の戦略的協力関係を一層強化する姿勢を明確に示した。この会談は、3日に開催される抗日戦勝80年記念行事への両首脳の出席を前に実現。米国や日本を含む西側諸国に対し、「第二次世界大戦の戦勝国」としての共通の立場を強調し、国際秩序における新たな主導権を主張する狙いが色濃く見られた。両首脳による本格的な会談は、習主席が5月にモスクワでの対ドイツ戦勝80年記念式典に参加して以来となる。

核心的利益の協調と「戦勝国」としての責任

中国外務省の発表によると、習主席は会談の中で、「両国の核心的利益と重大な問題について適時協調し、中露関係のさらなる発展を推進する」と述べた。また、戦勝80年を機とした中露首脳の相互訪問は、「第二次世界大戦の主要な戦勝国であり、国連安全保障理事会の常任理事国としての大国の責任を十分に示している」と強調。これは、「戦勝国」である中露が国際秩序のリード役を担う正当性を国際社会に示す意図があるとみられる。

北京で会談する習近平国家主席とプーチン大統領。両首脳は中露関係の強化と国際秩序における「戦勝国」の役割について意見を交わした。北京で会談する習近平国家主席とプーチン大統領。両首脳は中露関係の強化と国際秩序における「戦勝国」の役割について意見を交わした。

戦略的関係の深化と国際問題への対応

ロシア側によると、プーチン大統領は、中露関係について「私と習氏の先導により高度な戦略性を体現している」と高く評価した。両首脳はまた、「ともに関心を持つ国際、地域問題」についても活発な意見交換を行った。この中には、当時のトランプ米政権への対応策や、現在も続くウクライナ問題など、両国にとって重要な地政学的課題に関する協議が含まれていたと推測される。

エネルギー協力の推進:「シベリアの力2」覚書締結

経済協力の面では、インタファクス通信が報じたところによると、ロシア政府系天然ガス企業ガスプロムのミレル社長は同日、モンゴル経由で中国に天然ガスを輸出するパイプライン「シベリアの力2」の建設に向けた覚書を締結したことを明らかにした。これは、両国のエネルギー分野における連携強化を示す具体的な動きであり、西側からの制裁圧力に直面するロシアにとって、重要な市場確保に繋がる。プーチン大統領は、この北京での会談に先立ち、8月31日から天津市で開催された上海協力機構(SCO)首脳会議にも出席しており、地域における多国間協力の枠組みでも積極的な役割を果たしている。

まとめ

今回の習近平国家主席とプーチン大統領の会談は、中露両国が「戦勝国」としての歴史的立場と国連安保理常任理事国としての責任を強調し、国際秩序における影響力拡大を目指す強い意志を示した。特に西側諸国に対する共闘姿勢は、現在の複雑な国際情勢において、中露関係が世界政治に与える影響力の大きさを改めて浮き彫りにしている。エネルギー分野での具体的な協力も進み、両国の戦略的パートナーシップは今後も深化していくと見られる。

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