新入社員、理不尽な雑務強要で2ヶ月で退職か ― 韓国職場文化への批判高まる

韓国のオンラインコミュニティで、新入社員がわずか2ヶ月で退職した事例が大きな注目を集めています。投稿によると、この新入社員は日常的に理不尽な雑務を一人で担わされ、職場での不当な扱いに耐えきれなくなったと訴えています。この出来事は、若手社員に過度な負担を押し付ける韓国の職場文化に改めて厳しい目が向けられるきっかけとなりました。

昼食準備から片付けまで、新入社員に集中する雑務

問題の発端は、職場の昼食習慣にありました。高層階にあるオフィスで働く社員たちは、出前を注文して昼食をとることが多かったと言います。その際、新入社員が注文した料理を受け取り、テーブルに並べて準備し、他の社員に食事開始を促すのが日課となっていました。しかし、社員たちは社食のように食後の片付けを一切せず席を離れることが常態化しており、その後の食器の片付けや食べ残しの処理は全て新入社員に任されていたといいます。投稿者は「ここまでは何とか我慢していた」と当時の心境を明かしていますが、その後の出来事が退職を決意させる決定打となりました。

理不尽な雑務に苦しむ新入社員の様子を想起させるオフィス風景理不尽な雑務に苦しむ新入社員の様子を想起させるオフィス風景

半休時の「注文強要」と「2日前残飯の処分」が決定的打に

ある日、新入社員が午後に半日休暇を取る際、「今日は皆さんで注文してください」と事前に伝えていました。にもかかわらず、他の社員たちは当然のように「あなたが注文していって」と要求したとのことです。結局、新入社員は退勤前に注文だけ済ませざるを得ませんでした。

さらに、この出来事と同時期に、昼食後の片付け中に冷蔵庫で2日前の食べ残しを発見し、他の社員から「それも捨てておいて」と指示されたことが怒りの限界点に達しました。新入社員は「自分が食べてもいないものまで処理させられるのは納得できない」と憤りを爆発させ、その日のうちに退職届を提出するに至りました。投稿者は「不当だと感じながらも再就職への不安から我慢してきたが、もう限界だった。まだ悔しさは残るが、正しい決断だったと思いたい」と複雑な心境を吐露しています。

ネット上で共感と職場文化への厳しい声

この新入社員の投稿に対して、韓国のネット上では多数の共感と批判の声が寄せられています。「上司ですら片付けを手伝うべきだ」「冷蔵庫に食べ残しを入れること自体が異常」「退職して正解だった」といった意見が相次ぎ、若手や新入社員に雑務を押しつける古い職場文化に対する強い批判が高まっています。この一件は、ハラスメントや職場の不公平な慣習が、個人の精神的な負担だけでなく、キャリアにも深刻な影響を与えることを改めて浮き彫りにしました。

まとめ

今回の韓国における新入社員の退職事例は、職場における理不尽な雑務の強要がいかに個人の尊厳を傷つけ、早期離職につながるかを示すものです。特に、新入社員が再就職への不安を抱えながらも限界を感じて退職を決意した背景には、改善されない職場環境と、それを助長する慣習が存在していました。ネット上での反響は、このようなハラスメントに近い行為が多くの労働者、特に若年層にとって共通の悩みであることを示唆しており、より健全な職場文化の構築が喫緊の課題であることを強く訴えかけています。

参考文献