ドイツ、8月の難民申請が約6割減:メルツ政権の厳格な移民政策が奏功か

【AFP=時事】ドイツ内務省が発表した統計によると、今年8月の難民認定申請数は7803件に留まり、前年同月の1万8427件から約60%の大幅な減少を記録しました。これは、フリードリヒ・メルツ首相が5月に就任して以来、ドイツ政府が国境管理の厳格化をはじめ、多岐にわたる移民抑制策を講じてきた成果として注目されています。

ドイツの厳格化された移民政策

メルツ政権は、難民や移民に対する姿勢を明確に厳格化してきました。具体的には、ドイツ国境での管理を強化し、アフガニスタン人犯罪者の強制送還を推進するなど、不法移民や犯罪歴のある外国人の排除に努めています。さらに、政府は一部の移民に対する家族呼び寄せの制限を導入する方針を示しており、ドイツ国籍取得に関する規則もより厳格にすることで、長期的な居住要件などを強化する計画です。これらの政策は、国内の移民問題への対応と、社会統合の促進を目的としています。

ドイツのフリードリヒ・メルツ首相、難民政策の厳格化を推進ドイツのフリードリヒ・メルツ首相、難民政策の厳格化を推進

内相の評価と欧州共通庇護制度への展望

アレクサンダー・ドブリント内相は、今回の統計結果について「われわれの難民政策の変更が機能し、対策が成功している」ことの明確な証拠であると評価しました。同内相は、今後の政策の軸足が「欧州共通庇護制度のさらなる厳格化」へと移されることを強調し、これにより「欧州全体への移民圧力をさらに軽減する」ことを目指す方針を示しています。この発言は、ドイツが単独でなく、欧州連合(EU)全体での協調的なアプローチを通じて移民問題に取り組む意向を示唆しています。

難民申請数の推移と背景

ドイツの難民認定申請数は、最近数か月にわたり減少傾向にあります。8月の統計に先立つ7月には、難民申請数が8293件となり、前年同月の1万8503件から減少していました。連邦移民難民庁(BAMF)が公表したデータによると、今年1月から7月までの累計申請数も7万11件で、前年同期の14万783件と比較して大幅な減少を見せています。これらの数値は、メルツ政権が導入した一連の厳格な入国管理および移民政策が、実際に難民申請数に影響を与えている可能性を示唆しています。

結論

ドイツにおける難民認定申請数の顕著な減少は、フリードリヒ・メルツ首相率いる政権が実施してきた厳格な移民政策の初期的な効果を示しています。国境管理の強化、犯罪者の強制送還、そして国籍取得や家族呼び寄せに関する規則の厳格化といった一連の措置が、この減少傾向に寄与していると見られます。今後、ドイツは欧州共通庇護制度の厳格化を通じて、さらなる移民圧力の軽減を図る方針であり、欧州全体の移民政策動向に注目が集まります。