記録的な猛暑が続く中、日本の食卓に欠かせない葉物野菜、特にレタスの価格が高騰し、消費者を悩ませています。東京都内の総菜ビュッフェでは新鮮なレタスが人気を集めるものの、「レタスは高いから安い時にしか買わない」「いま野菜が高いからありがたい」といった声が聞かれるなど、家計への影響は無視できません。この厳しい状況下で、なぜレタス価格は上昇し続けているのでしょうか。そして、私たちにはどのような選択肢があるのでしょうか。
高騰するレタス:現状と消費者の声
農林水産省が発表した最新の調査結果によると、レタスの小売価格は1kgあたり平年の約1.4倍にあたる705円にまで上昇しています。特にレタスを主力とする飲食店にとっては大きな打撃となっており、あるレタス料理専門店では1日約10玉を使用するため、独自の工夫でこの高騰に対応しています。菜食酒場レタスやの鈴木諒星店長は、ランチとディナーの営業を両立させ、食材を効率的に使い回すことで「ロスがないように」努めていると語ります。スーパーの店頭でも1玉198円と高値で販売されていますが、夏の暑さでサラダ需要が高まっているため、レタスを求める消費者の購買意欲は衰えていません。
東京都内の総菜ビュッフェに並ぶ新鮮なレタス
レタス高騰の背景:記録的な猛暑が供給に影響
レタス価格高騰の主な理由は、この夏日本列島を襲った記録的な猛暑にあります。スーパーアキダイの秋葉弘道社長は、「平年に比べれば2倍近い相場」であり、「高値になっている理由は高温」だと指摘します。高温はレタスの生育を阻害し、収穫量の減少や品質の低下を引き起こします。一方で、秋葉社長は「レタスを食べたい欲求が続いている、暑くて。サラダ日和がずっと続いていることも需要がずっと続いている」と述べ、供給不足と根強い需要が価格上昇に拍車をかけている現状を説明しました。
家計に優しい代替品:キャベツが人気を集める
レタスの高騰が続く中、スーパーアキダイの秋葉社長は「レタスが高値で困っているが、逆にお買い得なものはキャベツ」と、消費者の家計を助ける選択肢を提示しています。実際、キャベツは5月以降、1kgあたり160円前後を安定してキープしており、平年よりも1割ほど安い水準で推移しています。取材したスーパーでは、キャベツが1玉100円という手頃な価格で販売され、買い物客からは「いまキャベツが安い」「あっキャベツが安い。100円、めっちゃ安い」といった喜びの声が聞かれました。キャベツはサラダだけでなく、炒め物や煮物にも使える万能野菜として、高騰するレタスの代替品として注目されています。
今後の見通し:レタス価格はいつ下がる?
気になる今後のレタス価格ですが、スーパーアキダイの社長によると、9月半ばごろから値下がりし始める見通しだということです。気候が落ち着き、レタスの生育状況が改善すれば、市場への供給が増え、価格も安定に向かうと期待されます。しかし、それまでの間は、家計に優しいキャベツなどを上手に活用し、工夫を凝らした食卓を楽しむことが賢明と言えるでしょう。