グレタ・トゥーンベリ氏率いるガザ支援船団、チュニジアに到着:人道危機と国際社会の反応

スウェーデンの著名な気候変動活動家グレタ・トゥーンベリ氏(22)と親パレスチナ活動家らが参加するガザ地区を目指す支援船団が7日、北アフリカのチュニジアにある港に停泊し、大勢の出迎えを受けました。この船団は支援物資を積んだ小型船約20隻で構成されており、ガザにおける「集団虐殺(ジェノサイド)」と「大規模な飢餓」に抗議し、イスラエルによる封鎖を打ち破ることを目的としています。今回の寄港は、国際的な注目を集めるガザの人道危機に対する市民社会からの強いメッセージとなっています。

ガザに向けた支援船団、チュニジアに到着

チュニジアのシディ・ブ・サイド港で撮影された写真には、トゥーンベリ氏が多くの人々に囲まれながら熱弁を振るう姿が捉えられています。トゥーンベリ氏は演説で、「私たちは皆、なぜここにいるのか知っている」と述べ、「海の向こう側では、イスラエルの殺人マシンによるジェノサイドが行われ、大規模な飢餓が引き起こされている」と強調しました。これに対し、イスラエル政府はガザでの飢餓を繰り返し否定しており、もし飢餓があるとするならば、それはイスラム組織ハマスと支援機関の失敗が原因だと主張しています。

ガザ支援船団のチュニジア寄港で演説するグレタ・トゥーンベリ氏ガザ支援船団のチュニジア寄港で演説するグレタ・トゥーンベリ氏

国連と活動家が指摘するガザの危機

国連の支援機関は先月、ガザで飢饉が発生していると報告し、国連の人道問題担当トップは、イスラエルがガザへの支援物資の運び込みを「組織的に妨害」したことがその直接の原因であると指摘しました。船団には、フランスの欧州議会議員でパレスチナ系のリマ・ハッサン氏も参加しており、同氏は港で「パレスチナの大義はいま、各国政府の手の中にはない。各地の人々の心の中にある」と述べ、パレスチナの人々と連帯する活動家たちを称賛しました。船団の主催者である活動家集団「グローバル・スムード・フローティラ」は、「イスラエルによる違法なガザ包囲を打ち破る」ことがこの行動の主たる目的だと述べています。

船団の航海とイスラエルの反応

今回の航海は今月1日にスペインのバルセロナ港から約20隻の船団が出航し、開始されました。ロイター通信によると、船団は数日間チュニジアに停泊し、そこで追加の支援物資が積載され、チュニジアのチームと合流した後、ガザへの旅を再開する予定です。しかし、この旅は決して順風満帆ではなく、前回の試みは6月にイスラエル軍によって阻止されています。イスラエル当局は、トゥーンベリ氏がガザに支援物資を届けようとしたこれまでの航海を、何の人道支援にもならない「売名行為」であると批判しています。イスラエルは3月、支援物資がハマスに奪われていると主張し、ガザへの支援物資の運び入れを3カ月近く完全に阻止しましたが、国際的な批判の高まりを受け、現在は限られた量の運び入れを許可し始めています。

まとめ

グレタ・トゥーンベリ氏と親パレスチナ活動家らが率いるガザ支援船団がチュニジアに到着したことは、ガザ地区が直面する深刻な人道危機に対し、国際社会が行動を求める声が強まっていることを示しています。飢餓の責任を巡るイスラエルと国連、活動家の間の対立は深まる一方であり、船団の最終的なガザ到達とそれがもたらす影響に国際社会の注目が集まっています。

参考文献

  • BBC News (英語記事 Greta Thunberg’s Gaza flotilla arrives in Tunisia)
  • Yahoo!ニュース (元記事リンク)