高市早苗氏の自民党総裁選出馬意向と党内評価の急落

石破茂首相の退陣表明後、次期自民党総裁選への出馬意向が報じられた高市早苗前経済安全保障相。かつて有力候補と目された彼女ですが、最近、党内での評判が急落していると伝えられています。本稿では、高市氏の最近の政治的言動とその背景にある党内の評価について掘り下げていきます。

自民党総裁選に出馬意向の高市早苗氏、その政治的動向と党内の評価自民党総裁選に出馬意向の高市早苗氏、その政治的動向と党内の評価

参院選結果前の「フライング発言」が波紋を呼ぶ

石破首相退陣表明の5日前、自民党本部で開かれた参院選総括の両院議員総会後、高市氏は報道陣に総裁選の前倒しに賛成するか問われ、「心にとっくに決めています」と発言。これは出馬への強い意欲を示唆しましたが、直後に「何も申し上げていない」とはぐらかしました。

しかし永田町では、高市氏が参院選の結果が出る前から総裁選への準備を進めていたと広く知られています。参院選終盤の7月18日、奈良県での応援演説で「腹をくくった。党の背骨を入れ直す。そのために戦う」と述べたことは、自公劣勢が伝えられる中、「石破おろし」を見越した「フライング発言」と揶揄されてきました。この前のめりな姿勢が、党内で不評を買う一因です。

両院議員総会での「長すぎる演説」が党内で不評に

高市氏の「前のめり」な姿勢は、先の両院議員総会でも顕著でした。自民党関係者は、「我こそはと手を挙げ、マイクを握り、『衆院選敗北の総括ができていなかった』などと10分以上も大演説をぶった。ダラダラ長いだけで記憶に残らない内容。総裁候補なのだから、党批判は若手・中堅に任せ、黙っていた方が好印象だったのに」と批判しました。

この演説を聞いた議員の多くは、1年前の総裁選決選投票前の演説を思い出しました。制限時間を超過し、すでに勝ったかのような強気な発言を繰り返し、それが石破氏への逆転を許した一因とも言われています。同関係者は、「今回の演説を聞いて、“成長していない”という印象を持った議員は少なくないでしょう」と述べ、高市氏の政治家としての成熟度への懸念を示しています。

結論:総裁選への道と党内支持の課題

高市早苗氏の自民党総裁選への強い意欲は明らかですが、その前のめりな言動が党内での評価を下げています。参院選前の「フライング発言」や、両院議員総会での「長すぎる演説」は、彼女の政治スタイルに対する疑問を投げかけています。次期総理候補としての道を歩む上で、党内の支持を再び獲得するためには、より慎重で戦略的な行動が求められるでしょう。

参考資料