ニュージーランド、4年間逃亡の容疑者射殺 3人の子どもを無事保護

ニュージーランド北島で長らく行方を追われていたトーマス・フィリップス容疑者が、警察との対立の末に射殺された事件が、同国全土で大きな注目を集めています。事件後、容疑者と共に逃亡していた9歳から12歳の子ども3人が無事保護され、4年にわたる壮絶な逃走劇に幕が下ろされました。この事件は、子どもたちの安否を巡る国民の懸念を背景に、広範な報道がなされていました。

4年間の逃亡と警察の追跡

トーマス・フィリップス容疑者は、2021年9月に自身の3人の子どもを連れて失踪しました。一度は姿を現したものの、同年12月には再び姿を消し、以降は警察による大規模な捜索が行われていました。彼は、強盗や傷害などの複数の容疑で指名手配されており、ニュージーランド警察は彼の行方を粘り強く追跡し続けていました。この長期にわたる逃走劇は、地元住民の間に不安をもたらし、解決が強く望まれていました。

事件の発生と容疑者の射殺

事態が大きく動いたのは8日未明でした。北島ワイカト地方西部に位置する人口約500人の小さな町ピオピオで、農場内の店舗に侵入しようとした男が警察に発見されました。男は四輪バイクで逃走を図り、追跡してきた警察官の1人が至近距離からライフル銃で頭部を撃たれ重傷を負う事態に発展。その後、警察は男を射殺しました。射殺された男の身元は正式には確認されていないものの、警察当局はトーマス・フィリップス容疑者であったと確信していると発表しました。

トーマス・フィリップス容疑者の顔写真。彼は3人の子どもと共に4年間ニュージーランドで逃亡生活を送っていた。トーマス・フィリップス容疑者の顔写真。彼は3人の子どもと共に4年間ニュージーランドで逃亡生活を送っていた。

3人の子どもの保護と家族の安堵

容疑者が射殺された現場では、3人の子どものうち1人がフィリップス容疑者と行動を共にしていたことが確認されました。残る2人の子どもについては、ヘリコプターも投入される大規模な捜索活動が行われ、森林の奥深くにあるキャンプ場で2人だけでいるところを発見され、無事に警察に保護されました。子どもたちは皆、元気な様子で、目立った怪我などは見られなかったとのことです。

子どもたちの保護を受け、家族は公共放送R N Zの取材に対し、死亡したのがフィリップス容疑者であったことを確認すると共に、3人の子どもの母親は「心から安堵(あんど)している」とコメントし、長年の心配と苦しみからの解放を語りました。この事件の解決は、地域社会、そしてニュージーランド国民に安堵をもたらしました。

結び

ニュージーランドで4年にわたり逃亡を続けていたトーマス・フィリップス容疑者の射殺と、彼と共にいた3人の子どもの無事保護は、困難な状況下での警察の追跡努力と、子どもたちの安全確保の重要性を改めて浮き彫りにしました。子どもたちが保護され、家族の元へ戻ることができたのは、この事件における最も重要な進展であり、長引いた懸念に終止符を打つものとなりました。

参考文献