お笑いコンビ・クロスバー直撃の渡邊センス氏(41)が9日、ダウンタウン・松本人志氏の女性問題に関する「FRIDAY」誌の記事で名誉を毀損されたとして、発行元の講談社に対し損害賠償と訂正記事を求めた訴訟の第2回口頭弁論に東京地裁で出席しました。渡邊氏は記事内容を「全てデタラメ」と強く否定し、これによって自身の人生とキャリアが大きく損なわれたと訴えました。
渡邊センスが東京地裁での口頭弁論後、取材に応じる様子
「FRIDAYは許せない」渡邊センスが主張する報道被害の実態
この日の口頭弁論には被告である講談社側も出席し、記事が十分な取材に基づいていると主張しました。これに対し渡邊センス氏は、記事に記載された2018年10月中旬に大阪市内で行われた飲み会自体はあったと認めつつも、女性に対して「そういうことはデキるんやな?」と確認したとされる部分については「事実ではありません」と全面的に否定しました。
渡邊氏は法廷で「全てデタラメです。このデタラメの記事で私の人生が壊れました。私はFRIDAYを許せません」と、強い言葉で自身の主張を展開。報道された虚偽の内容が、自身の信頼とキャリアに甚大な影響を与えたと訴えました。
記事掲載後の具体的な被害として、渡邊氏は涙ながらに「記事が出てから、オンエアが2つなくなり、収録予定の仕事も2つなくなりました。その後もテレビの仕事がなくなった。記事以前とは比べものにならないぐらい仕事を失いました」と、その苦しい現状を吐露しました。
20年間の芸能活動を振り返り、彼は「この20年間、僕はテレビで活躍している皆さんほどではないけど、着実に一歩ずつ階段を上って、もしかしたら努力が実って思い描いていた未来にたどりつけるかもと思っていた。このようなことを書かれると、信頼がないと(なる)」と語り、タレントとしての信用失墜が、長年の努力で築き上げてきたものを根底から崩したと訴えました。さらに、「テレビスターになる夢を捨てなければいけないという状態になって…」と号泣し、「すみません」と大粒の涙を拭いました。
和解協議と判決へ、求めるは「やったことへの責任」
口頭弁論後、報道陣の取材に応じた渡邊氏は、講談社に対して「謝罪というか、やったことへの責任を取ってほしい」と述べ、真摯な対応を求めました。
今後の訴訟の進展として、和解協議が10月2日にオンライン上で行われることになりました。渡邊氏は、和解の内容によっては応じる可能性も示唆しています。最終的な判決は11月25日に言い渡される予定です。
長年にわたる芸能活動の中で築き上げてきた信用とキャリアが、報道によって大きく損なわれたと訴える渡邊センス氏。彼の名誉毀損訴訟は、芸能界の報道のあり方とその責任について、社会に改めて問いかけるものとなるでしょう。今後の和解協議、そして判決の行方が注目されます。