三谷幸喜氏、清水尋也容疑者逮捕に苦言 – 『19番目のカルテ』出番カットで制作陣に同情の声

脚本家の三谷幸喜氏(64)が、レギュラー出演する情報番組『情報7daysニュースキャスター』(TBS系)で、麻薬取締法違反の疑いで逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)に関する心境を語りました。特に、清水容疑者が出演し、最終回を迎えたドラマ『19番目のカルテ』(TBS系)における影響について、制作現場の苦悩を代弁する形で強い憤りを表明しています。この発言は、公人としての俳優の責任と、作品への影響を改めて浮き彫りにしました。

清水尋也容疑者、大麻所持で逮捕 – 出演ドラマに大きな影響

清水尋也容疑者は、大麻を所持していたとして警視庁に逮捕されました。本人も「稼ぎが増えた24歳くらいから大麻を吸う量が多くなった」と供述しており、この事件は大きな波紋を呼んでいます。逮捕当時、清水容疑者は嵐の松本潤(42)が主演するTBS系日曜劇場ドラマ『19番目のカルテ』に、内科専攻医3年目の鹿山慶太役としてメインキャストで出演中でした。

薬物事件で逮捕された清水尋也容疑者が出演していたドラマ「19番目のカルテ」での演技風景。薬物事件で逮捕された清水尋也容疑者が出演していたドラマ「19番目のカルテ」での演技風景。

しかし、事件を受け、9月7日に放送された最終回では清水容疑者の出番は完全にカットされ、ラストのクレジットからも名前が削除される事態となりました。このドラマは富士屋カツヒト氏の漫画『19番目のカルテ 徳重晃の問診』が原作で、清水容疑者の登場シーンは物語の重要な要素を担っていたと推測されます。予期せぬ出演者の逮捕が、作品の最終形に深刻な影響を与えた形です。

三谷幸喜氏、俳優の倫理観に怒り – 「作り手側の苦悩」を吐露

『Nキャス』の番組内で、三谷氏は清水容疑者の逮捕について言及し、作り手側の立場からその怒りを露わにしました。「僕ら作り手側から言うと、その俳優さんが大好きで、この役に合っているからオファーするわけじゃないですか。だから、何か(別の)会見で言った気もするけど、オファーされる側は、何か自分にまずいぞっていうものがあったら、ホントにオファー、断ってほしい! 僕らからすると。“何で引き受けちゃったんだよ!”という気がする」と強く訴えました。

さらに、『19番目のカルテ』での清水容疑者の出番カットに関しては、「つじつまが合えばいいってものじゃないじゃないですか。そりゃ、今のCG技術があればなんでもできるから。あの役だって、多分最終回だからすごい見せ場があったはずだし、大勢の人とやりとりするシーンもあったはず」と推測。その上で、「それができたところで、あんな良質な素敵なドラマが、完璧な形じゃない形で視聴者に伝えなきゃいけないって、本当にスタッフの方々はつらいと思います」と語気を強め、制作に携わる人々の苦悩に同情を示しました。

過去の薬物事案と大河ドラマの教訓

三谷氏が過去の会見で同様の発言をしたと振り返ったのは、2020年1月に行われたNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(2022年放送)の制作発表会見でのことです。当時、2019年には大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』出演中のピエール瀧氏(58)、そして『麒麟がくる』(2020年放送)撮影中の沢尻エリカ氏(39)が相次いで薬物事案で逮捕され、降板する事態が続きました。

これらの前例からも、俳優の薬物問題は作品の質や制作スケジュール、そして何よりも視聴者への影響が計り知れないことを示しています。三谷氏の今回の発言は、こうした過去の苦い経験を踏まえ、公に立つ人間の社会的な責任の重さを改めて問うものでした。

清水尋也容疑者の逮捕は、個人の問題にとどまらず、多くの人々が関わるエンターテインメント作品に多大な影響を及ぼすことを改めて示しました。三谷幸喜氏の言葉は、作品を愛し、その完成のために尽力する制作陣の切実な思いを代弁しており、俳優という職業の倫理と責任の重要性を強く訴えるものです。

参考文献: