旅行の楽しみの一つとして、その土地の食文化は欠かせません。名物料理やご当地グルメは、訪れる街の印象を決定づけ、再訪の動機にもなります。日本には、豊かな自然と歴史を背景に独自の食文化を育んできた市区町村が多数存在します。今回は、ブランド総合研究所が実施した「地域ブランド調査2025」の結果に基づき、「食事がおいしい」と評価された全国の市区町村をランキング形式でご紹介します。このランキングは、日本の多様な食文化の変遷を映し出す鏡とも言えるでしょう。
日本の食事がおいしい市区町村ランキング上位を占める北海道の風景
「地域ブランド調査2025」概要と評価基準
本ランキングは、ブランド総合研究所が2025年6月24日〜7月9日に実施した「地域ブランド調査2025」に基づいています。全国1000の市区町村及び47都道府県、計1047地域を対象に、全国3万3449人の消費者から有効回答を得ました。各地域に対し、認知度や魅力度、イメージなど全90項目を調査。このうち「食事がおいしい」は、「それぞれの市区町村にはどんな魅力があると思いますか？」という18項目の問いから選ばれた回答者の割合（％）で算出されています。
トップ3を独占！北海道勢が誇る食の魅力
今年の「食」の評価で上位を独占したのは北海道の市区町村でした。
1位 札幌市：多様な食が集まる「宝箱」
1位は札幌市（36.7％）。ジンギスカン、札幌ラーメン、スープカレーに加え、道内各地の海産物や農産物、加工食品が集まる「食の宝箱」というイメージが定着しています。
2位 函館市、3位 小樽市：港町のグルメ
続く2位は函館市（26.3％）、3位は小樽市（26.1％）でした。いずれも港町として新鮮な海の幸が豊富で、その食文化が評価されています。
地域名を冠する「名物料理」の強さ
北海道勢に続く上位には、特定の料理が街の象徴となっている市区町村がランクインしました。
福岡市：とんこつラーメンと明太子
4位の福岡市（25.8％）は、博多とんこつラーメンや辛子明太子、もつ鍋が代表格。特にラーメンと明太子を挙げる人が多く、屋台文化も食の魅力を高めています。
宇都宮市、喜多方市、松阪市：看板メニューが街の顔
5位の宇都宮市（24.8％）、8位の喜多方市（20.6％）、9位の松阪市（20.4％）に共通するのは、「宇都宮餃子」「喜多方ラーメン」「松阪牛」のように料理名そのものが地域名と結びついている点です。ブランド総合研究所の田中社長は、「飛び抜けて有名な料理が一つある地域は、それだけで評価の軸が定まる」とコメント。イベントや情報発信を通じて名物を磨き続けることが、安定した支持に繋がると分析しています。
「食事がおいしい市区町村」という評価は、決して固定されたものではなく、常に変化します。地域の話題づくりや情報発信、新たな取り組みを続ける街ほど、その評価は伸びやすい傾向にあります。このランキングの変化は、日本の豊かな食文化の多様な移り変わりを鮮やかに映し出しています。
参考文献
- ブランド総合研究所「地域ブランド調査2025」
- 西嶋治美「食事がおいしい市区町村ランキング」ダイヤモンド・オンライン
(https://news.yahoo.co.jp/articles/4826f51213609f3e263792a6f72256c26ef072bd)
※全50位のランキング詳細はこちら (https://diamond.jp//articles/-/380727)
