吉沢亮(31)が主演する映画「国宝」が、邦画実写作品の歴代興行収入ランキングで第1位となった。任侠の家に生まれながら歌舞伎の名門の家に引き取られた主人公・喜久雄と、その家の御曹司として将来を約束された俊介、立場の異なる二人が芸を極めていくさまを描いた映画の大ヒットが歌舞伎界に与えた影響は明らかで、歌舞伎座では連日大入り日が続いているという。一方で、今年6月、祖父は人間国宝、父は重要無形文化財と、まさに劇中に登場するような御曹司ともいうべき歌舞伎役者・中村児太郎(こたろう・32)が妻に凄絶なDVを働いていたことを「週刊新潮」が報じていた(以下、「週刊新潮」2025年6月26日号をもとに加筆・修正しました)。
【実際の写真】顔面が異常に腫れ上がり、全身に痛々しいアザが… 「凄絶DV」を受けた妻の姿(ショッキングな内容を含みます)
***
22年ぶりの快挙
「実写の邦画で興行収入が100億円を超えたのは、平成15年に公開された『踊る大捜査線THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』以来、22年ぶり。劇場公開が始まった6月以降、歌舞伎座の来場者も急増しています」
とは歌舞伎担当記者。席の9割近くが埋まる大入り日が続出しているという。
映画の影響は明らかで、
「連日、劇場が用意しているイヤホンガイドの貸し出し所には長蛇の列が。作品のあらすじや見どころ、歌舞伎独特の約束事や役者の所作、小道具や化粧の意味などを分かりやすく解説してくれますからね。歌舞伎鑑賞に慣れていない人が増えたせいでしょう」
養成所への問い合わせが急増
劇中で吉沢演じる主人公・喜久雄は、任侠の家の生まれだが、
「梨園とは無関係な家に生まれた場合、歌舞伎役者になる道は二つ。国立劇場に併設されている養成所に入所するか、坂東玉三郎(75)や片岡愛之助(53)のように、歌舞伎役者の養子や弟子に入るかですね」(同)
昭和45年に開設された、国立劇場養成所の歌舞伎俳優研修は女人禁制。応募資格は中学校卒業以上の男子に限られ、年齢は23歳以下。経験は不問で、歌舞伎とは無縁に育った若者たちに歌舞伎の実技や日本舞踊、発声法、化粧や着付けの作法、立ち回りなどを2年間にわたって教え込むという。現在、活躍する歌舞伎俳優はおよそ300人だが、その約3分の1が養成所出身者とされる。
「かつては毎年、15人ほどの新入生を迎えていたものの、最近は2〜3人。たった一人という年もありました。ところが、『国宝』が公開された6月以降、入所に関する問い合わせが飛躍的に増えているんです」






