Number_i、飛躍と自己確立の2025年:二度目の挑戦が描くグループの軌跡

2025年が間もなく幕を閉じようとしている。昨年元日に鮮烈なデビューを飾ったNumber_iにとって、この年はデビュー2年目として、そのグループの色濃さと揺るぎないアイデンティティを確立する一年となった。デビューイヤーである2024年に多くの人々に自分たちの音楽を届けようと尽力した彼らは、2025年、まさに「自己と深く向き合う」ことで、さらなる高みへと到達したと言えるだろう。

岸優太プロデュース楽曲「GOD_i」が示すグループの主体性

2025年の活動は、1月27日にリリースされた第1弾作品「GOD_i」で幕を開けた。「GOD_i」は、前年の平野紫耀による「BON」、神宮寺勇太の「INZM」に続く、岸優太がプロデュースを手掛けた楽曲である。オルガンやクワイアが鳴り響く教会を想起させる壮大なトラックに、切ないメロディとラップが織り交ぜられ、聴く者の心を揺さぶる一曲だ。「祈り」や「願い」をテーマに書かれた歌詞の中には、「I Am My Own God」という力強いフレーズが込められており、「自分の願いを叶えられるのは自分自身」という主体性のあるメッセージは、彼らNumber_iらしい勇敢な精神を強く感じさせた。

クリエイティブの全貌:自らの手で作り上げるNumber_iの挑戦

3月と4月には、TOBE所属アーティストによる合同コンサート『to HEROes ~TOBE 2nd Super Live~』に出演し、グループとしての圧巻のステージを披露した。それに加え、全アーティストによるコラボレーションパフォーマンスコーナーのプロデュースも担当。前年にTOBE所属アーティストのチャリティソング「Be on Your side」の作詞を手掛けた実績も持つNumber_iは、楽曲制作のみならず、ステージ全体のディレクションにおいてもその才能を発揮した。さらに、6月よりPrime Videoで配信されたドキュメンタリー作品『THE_i -what is Number_i-』では、楽曲、ミュージックビデオ、ライブといったすべてのクリエイティブに深く携わり、制作に奮闘する3人の姿が克明に映し出された。そこには、「自らの手で作り上げる」という彼らの強い意志と情熱が確かに宿っていた。

Number_iのメンバーがステージ上でポーズをとる様子Number_iのメンバーがステージ上でポーズをとる様子

国内外での活躍と新たな出会い

2025年は、彼らにとって嬉しい再会の年でもあった。4月には、Jackson Wang(ジャクソン・ワン)の楽曲「GBAD」に、Number_iのメンバーそれぞれが新たなリリックを追加して歌唱参加した「GBAD (Number_i Remix)」が配信された。これは、前年の『Coachella Valley Music and Arts Festival 2024』(『コーチェラ』)での共演に続く、二組による二度目のコラボレーションとなり、国境を越えた彼らの音楽的な繋がりを改めて印象付けた。さらに、6月1日(現地時間)には、アメリカ・ロサンゼルスで開催された88rising主催の音楽フェス『Head In The Clouds Festival』に出演。こちらも『コーチェラ』に続く二度目の海外ステージとなり、全8曲をほぼノンストップで披露し、文字通り全身全霊のパフォーマンスで現地の観客を熱狂させた。

2ndフルアルバム『No.Ⅱ』が切り開いた新たな世界観とチャート席巻

「未確認領域」、「Numbers Ur Zone」の先行配信を経て、9月22日には待望の2ndフルアルバム『No.Ⅱ』がリリースされた。このアルバムは、全体を通してひとつの壮大なストーリーを感じさせる、Number_iでなければ生み出せなかった唯一無二の作品である。その音楽的評価は、チャートランキングにも明確に表れた。『No.Ⅱ』は、2025年のBillboard JAPANダウンロードアルバムチャート「Download Albums」年間ランキングで2位 を獲得し、「オリコン年間ランキング2025」のデジタルアルバム部門でも2位(オリコン調べ) に輝いた(3位には『GOD_i』がランクイン)。これらの快挙は、彼らの音楽が広く支持され、大きな影響力を持っていることを証明するものである。

躍進を締めくくる全国ツアーと年末特番

アルバムリリース後、その世界観をさらに拡張する形で、二度目の全国ツアー『Number_i LIVE TOUR 2025 No.Ⅱ』が開催された。このツアーでは、バンドセットによるパフォーマンスにも挑戦し、彼らの表現の幅と音楽への深い探求心を示した。12月には多数の音楽特番に出演し、「ATAMI」や「i-mode」といったアルバム収録曲を披露。その活動の締めくくりとして、二度目の出場となる『第76回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)が控えている。『NHK紅白歌合戦』での歌唱曲に決定した「GOD_i」のミュージックビデオやライブパフォーマンスには、「鏡」が登場する。鏡は自分の姿を見つめ、内省を促すアイテムだ。

まさにNumber_iにとって、2025年は己と深く向き合い、挑戦し続けた一年だったのではないだろうか。何かに縛られることなく、自分たちのやりたいことを納得がいくまで追求する彼らの姿勢は、多くの人々に勇気を与えている。これまでと違うこと、誰も挑んだことのない物事に取り組むのは、多大な勇気を要する。しかし、彼らは確かな覚悟と純粋な好奇心を持って、その道を切り開いてきた。その独自のスタイルや作品に惹きつけられた人々が大勢いることは、昨年リリースの楽曲「BON」がSpotifyの「Daily Viral Songs(Japan)」に1年以上にわたってチャートインし続けたことや、『MUSIC AWARDS JAPAN 2025』での「推し活リクエスト・アーティスト・オブ・ザ・イヤー powered by USEN」および「ベスト・オブ・リスナーズ チョイス:国内楽曲 powered by Spotify」の2部門受賞といった輝かしい功績からも明らかである。

数々の「二度目」の経験を通じて見せた成長と挑戦。自分たちで選び続けた道を歩む彼らだからこそ、繋がった縁や出会えた景色、そして、そこから生まれた深い愛があったはずだ。グループとしての確かな成熟を感じさせつつ、デビュー3年目へと向かうNumber_iのさらなる躍進に、今後も期待が止まらない。

参考文献

  1. Billboard JAPAN. (2025). Download Albums 年間ランキング2025. https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=dlalbums_year&year=2025
  2. オリコン. (2025). オリコン年間ランキング2025 デジタルアルバム部門. https://www.oricon.co.jp/special/73522/5/