稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾の3人がMCを務める人気番組『ななにー 地下ABEMA』が、12月28日の放送で記念すべき100回を迎えました。地上波では見られないディープな世界を深掘りし、SNSで注目を集める人々を丁寧に紹介するこの番組は、デジタル時代におけるエンターテイメントの新たな形を提示しています。
番組コンセプトと時代の変化が交差する場所
かつて家族がテレビの前に集まって番組を観ていた時代から、今は一人ひとりがスマートフォンを手に、個別にコンテンツを楽しむ時代へと変化しました。アプリを開けばアルゴリズムによって個々のおすすめ動画が次々と提示され、指先ひとつで次の動画へと流れていく、瞬時に消費されがちな現代の動画コンテンツ。しかし、『ななにー』は、画面の向こうにいる人々の人生にスポットライトを当て、その背景や”その後”に思いを巡らせる機会を視聴者に提供します。これは、長年メディアの最前線で活躍してきた稲垣、草彅、香取だからこそできる、深い共感を生み出すエンターテイメントの力と言えるでしょう。
新しい地図 公式Xより
100回記念スペシャル：バズった人々の”その後”
100回記念の特別企画「100回記念！バズった人大集合SP」では、これまでに番組に登場し、SNSで話題となったゲストたちが再集結しました。『ななにー』出演後、彼らの人生にどのような変化が訪れたのかが語られ、スタジオは祝福ムードに包まれました。
イケメンキッズ・広多烈くんの活躍
街中で声をかけられるようになったり、企業からのオファーが増えたりと、多くのゲストが喜びの報告をしました。中でも、イケメンキッズの広多烈（レツ）くんは、ドラマ『フェイクマミー』（TBS系）で主人公の娘のクラスメイト・白河紬役として連続ドラマデビューを飾り、彼の新たな挑戦が多くの反響を呼びました。
美人ラーメン店主・淵田由衣さんの夢実現
「美人すぎる」と話題になったラーメン店主の淵田由衣さんは、念願だった海外出店を実現。彼女の夢が『ななにー』をきっかけに大きく飛躍したエピソードも紹介され、その努力と情熱が実を結んだことに拍手が送られました。
新山桃子さんの華麗なる転身
「石原さとみに似ている」と話題をさらった新山桃子さんは、「モデルの仕事がたくさんくるようになりました」と報告。『関西コレクション2025 A/W』や『Rakuten GirlsAward 2025 AUTUMN/WINTER』でランウェイを歩く姿が映し出され、ファッション誌『CanCam』（小学館）では「今年バズった顔」として特集されるなど、その活躍ぶりが注目を集めました。今回はフランス旅行と収録が重なったためVTR出演となりましたが、香取慎吾から「地上に飛び出て、VTRコメントですか！？」と、番組コンセプトにかけた絶妙なツッコミが入り、笑いを誘う一幕もありました。
香取慎吾が最も印象に残る人物：歩夢さんカップルとの再会
数多くのゲストの中で、香取慎吾が「最も印象に残っている人」として挙げたのが、2024年9月8日放送の#41「幸せカップル大集合！私の彼がNo.1」に登場した歩夢さんです。33歳差カップルとして出演した当時24歳の彼は、昭和演歌を愛し、渥美清の「男はつらいよ」を十八番とする徹底した古風さが、レギュラー陣の心を掴みました。
香取は、その後の近況が伝わってこなかったことから「ちょっと心配で」と胸中を吐露。そんな思いに応えるかのように、26歳になった歩夢さんが恋人のちかこさんとともにスタジオへ登場します。台本通りに進めようとするEXIT・りんたろー。に対し、稲垣吾郎が「早く！ 早く出してよ」と切り込むと、香取の「歩夢！ 歩夢！」コールが始まり、草兪剛やキャイ～ン、みちょぱも拳を突き上げ、スタジオは大盛り上がり。この阿吽の呼吸こそ、長く番組を続けてきた『ななにー』ファミリーの絆の証です。
満を持して登場した歩夢さんに、香取は満面の笑みで「歩夢ー！」と再会を喜びます。変わらぬ硬派な佇まいに一同が安堵する中、ちかこさんから飛び出した「うちの松山ケンイチです」という一言に、思わず笑顔を見せる歩夢さん。その変化に香取のテンションは最高潮に達し、「笑ってる！ 歩夢が笑ってる！」と喜びを爆発させました。
さらに注目を集めたのは、歩夢さんの左手薬指に光るペアリングです。以前は「男たるものがそんなものをしてたまるか」と一蹴していたという歩夢さんですが、ちかこさんの強い希望でついに身に着けることに。「最初はしんどい……つらかった」と語る彼独特の感覚に、香取は笑顔が止まりません。結婚については、それぞれの名字へのこだわりから入籍は考えていないと語り、家庭内別姓の例として「内田裕也と樹木希林」を挙げるなど、20代とは思えないセンスで『ななにー』ファミリーを魅了しました。
久しぶりに再会した歩夢さんカップルの姿に、香取は「最っ高だね！ 1年頑張ってよかった。100回（放送）のご褒美だよ」と感慨深げに語りました。草兪も「1年に1回は会いたい」と口にし、香取も真顔で「本当に年1でお願いします」と続くなど、どちらがスターかわからないほどの親密なやり取りが笑いを誘いました。
結び：新しい時代を切り拓く『ななにー』の挑戦
SNSの発展により、メディアに出るプロと素人の境界線が曖昧になった現代においても、稲垣、草兪、香取の3人が放つ安心感と懐の深さは、彼らが“一流”であることを改めて実感させます。一人の青年の魅力をここまで引き出し、多くの人に愛される存在へと昇華させる力。そこに、彼らが“本物”であり続ける理由があるのです。
SNSという「個の楽しみ」と、テレビという「共有の楽しみ」をつなぐ場所。それを体現しているのが『ななにー 地下ABEMA』です。100回という節目を超え、これからどんな新しい物語を紡いでいくのか。新しい時代を切り拓く存在として、今後の『ななにー』の歩みにも大いに期待が寄せられます。
