JTBは20日、来年の訪日客が今年の見通しの7・9%増の3430万人とする推計調査の結果を発表した。政府は4千万人とする目標を掲げているが、JTBは、東京五輪・パラリンピックを観戦する訪日客は爆発的には増加せず、今年激減した韓国人客の回復も限定的とみられることなどから、政府目標達成は困難との見方を示した。
JTBによると、今年の訪日客は、日韓関係の悪化で韓国人客が激減したが、ラグビーワールドカップ(W杯)の開催で観戦者の欧米からの訪日客が長期間滞在したことなどがプラスに働き、全体では1~11月の累計で前年同期比2・8%のプラスだった。
一方、来年の訪日客の増加を引っ張るとの期待が高まる東京五輪・パラリンピックについて、JTBは「ラグビーW杯のような全国的で長期間の開催ではない」と指摘。2012年のロンドン大会では前年比0・9%増にとどまったという。ただ、韓国人客が今年1年間の実績に比べて15%増となると見込むことや、引き続き中国やアジアの新興国からは増加が見込まれることから、今年1年間の推計に比べて7・9%増えると予想した。