関連政治団体の政治資金収支報告書に計約5500万円の虚偽記入や不記載があったとして、11月に政治資金規正法違反の罪で略式起訴された堺市の竹山修身(おさみ)前市長(69)が、自身の選挙資金問題を追及する同市議会の調査特別委員会(百条委)の証人尋問に出頭する意向を市議会側に伝えていたことが23日、関係者の話でわかった。これまで竹山氏側は証人尋問の出頭を拒んでいた。来年1月30日の出頭を希望しており、市議会は今月24日午後に開かれる百条委で日程調整をする方針。
関係者によると、23日、代理人弁護士名の文書で伝えられた。政治団体に関する調査を行わないことを条件に「堺市選挙管理委員会の権限の及ぶ範囲の事項について、(調査に)協力する」と明記した。一方で市議会が提出を求めている選挙対策本部の組織図や構成員名簿、政治団体の資金管理に関する書類などについては「議会の権限を超えている」などとして提出を拒否している。
竹山氏は、関連団体の政治資金収支報告書に約2億3千万円の記載漏れなどが見つかり今年4月、引責辞職。市議会は6月に百条委を設置し、竹山氏の証人尋問の実施を決めたが、竹山氏は「百条委は堺市の事務に関することに限定され、政治資金の調査権限はない」などと主張、11月5日に予定されていた証人尋問に出頭しなかった。同8日には選挙運動費用収支報告書の出納責任者の証人尋問も予定されていたが、こちらも出頭しなかったため中止に。市議会は2人に対し、再度出頭を求めていた。
一方、大阪地検特捜部は11月21日、竹山氏と会計実務を担当していた次女を政治資金規正法違反罪で略式起訴。大阪簡裁がそれぞれ罰金100万円の略式命令を出し、2人は即日納付した。