【北京=西見由章】24日に中国四川省成都で開かれた日中韓サミットで、議長国の中国当局は産経新聞の北京駐在記者2人に記者証を発行しなかった。記者証は日本政府が国内メディア計175人分の申請をとりまとめて中国側に提出、うち発行されなかったのは2人だけだった。日本政府は申請者への記者証発行は認められるべきだとして中国側に適切な対応を求めた。
産経新聞は同日、合法的な取材活動への不当な妨害だとして中国外務省に文書で抗議した。安倍晋三首相に同行して訪中した産経新聞の政治部記者と、韓国・ソウル駐在記者の計2人には記者証が発行された。
産経新聞は今月、日中韓サミットの記者登録にあたって計4人分を日本外務省に申請。同外務省は23日、うち2人について中国当局が記者証を発行していないことを把握した。
安倍首相に同行している岡田直樹官房副長官によると、中国当局は記者証を発行しなかったことについて「会場の収容能力」などが理由だと日本側に説明した。ただ24日行われた日中韓首脳の共同記者発表では、会場に多数の空席があった。