インド、移民への国籍付与で混乱拡大 23人死亡、イスラム教徒に「国籍剥奪」懸念広がる

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インド南部チェンナイで行われた国籍法改正への抗議活動で、警察に制止を受けるデモ隊=21日(ロイター)

インド南部チェンナイで行われた国籍法改正への抗議活動で、警察に制止を受けるデモ隊=21日(ロイター)

 【シンガポール=森浩】インドで不法移民に国籍を与える国籍法改正をめぐり、混乱が広がっている。各地で抗議活動が激化し、治安部隊との衝突で24日までに少なくとも23人が死亡、一時的なものも含め5千人以上が身柄を拘束された。政府はインターネット接続遮断などで拡大阻止を狙うが、反発は根強く収束の兆しは見えない。

 「インドの13億の国民には何の影響も与えない。情勢を誤った方向に導こうとしている一味がいる」

 モディ首相は22日の演説でこう強調し、改正法で拡大する抗議の沈静化を呼びかけた。

 今回の法改正によって近隣3国からインドに来た移民に対し、宗教的迫害が理由だった場合、国籍が付与される。だが、イスラム教徒は対象外なため抗議活動が拡大。イスラム教徒の割合が高い北部ウッタルプラデシュ州では衝突で8歳男児を含む15人が死亡した。

 抗議が広がった理由は法改正で、国内のイスラム教徒に「将来、国籍が剥奪(はくだつ)されるのではないか」との不安が芽生えたことが大きい。冒頭のモディ氏の発言もこの懸念を意識したものだ。市民の一部は改正法が宗教の平等を掲げた憲法に違反するとしてインド最高裁に法の施行停止を申し立てた。最高裁は18日、法の即時の停止は退けつつ、来年1月に審理を行うと表明した。

 それでも事態の収束からは遠い。政府は一部地域で4人以上の集会の禁止令を発出。首都ニューデリーや北東部アッサム州などの一部には夜間外出禁止令を出し、インターネット接続も遮断した。

 政権には法改正でイスラム教徒への強硬姿勢を示し、国内の約8割を占めるヒンズー教徒の支持を固めたい思惑があるとされる。国政与党インド人民党(BJP)は5月の総選挙で大勝を収めたが、景気低迷で支持離れが進む。今月23日に結果が公表された東部ジャルカンド州議会選でBJPは地域政党に敗退。投票は法改正前で抗議の影響はないが、BJP退潮を示すものと受け止められた。

 来年初めにはデリー首都圏議会選挙が実施される。BJPは前回2015年選挙で惨敗しており、ヒンズー教徒の支持を背景に勝利を収めたい局面だ。政治評論家のサジャン・クマール氏は「法改正はインドの世俗主義の後退だ。抗議の底流にはモディ政権の経済政策への失望感もあり、事態は簡単には収まらないだろう」と話している。

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