厚労省、無届け再生医療で大阪医大元講師を刑事告発





大阪府高槻市の大阪医大=10月25日

 大阪医科大学(大阪府高槻市)の男性元講師(52)が在職中、脂肪幹細胞を人に投与する再生医療を無届けで行った事件で、厚生労働省が再生医療安全性確保法違反罪で元講師を大阪府警に刑事告発し、府警が24日に受理していたことが同日、府警への取材で分かった。部下の助教や看護師らも関与した疑いがあることが判明しており、府警は同法違反容疑での立件に向け、慎重に捜査を進めている。

 同法では、採取した脂肪幹細胞を培養して本人に投与する行為は「第2種再生医療」にあたり、実施する場合には専門家委員会で審査を受けた再生医療の提供計画を厚労省に届け出る必要がある。また、再生医療に使う細胞の培養についても施設ごとに厚労省の許可を受けなければならない。

 同医大や関係者によると、元講師は3月以降、提供計画を作成することなく、助教や知人ら計4人から脂肪幹細胞を採取し、許可のない同医大内の施設で細胞を培養。4人のうち、培養が順調だった40代女性に細胞を点滴投与したとされる。知人らはアンチエイジング効果などを期待して細胞を提供していたという。

 同医大は5月に問題を把握し、元講師を諭旨解雇。医大からの情報提供で厚労省が8月に立ち入り調査を実施した。府警も9月に同容疑で医大などを捜索している。



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