FXで借金重ね、高齢者の虎の子を詐取…転落警察官が法廷で語った身勝手な動機 





高齢男性から1千万円超の現金をだまし取った元巡査長の自宅から押収物を運び出す捜査員ら=6月、京都市中京区

 警察官は犯罪から人々を守るために存在する-。そんな信頼を根底から覆す事件が京都で起きた。法廷で「犯してはならない罪を犯してしまった」と話したのは、特殊詐欺対策を通じて知り合った高齢者から1千万円を超える現金をだまし取った京都府警の元巡査長の男(38)。法廷では身勝手な犯罪の一部始終が明らかになった。(南里咲)

借金返済のため投資に

 「この罪を一生背負いながら、いかなる罰も受けようと思う」

 法廷に姿を見せた男は目を閉じ、うつむきながら、いたたまれない様子で反省の言葉を述べた。それもそのはず、人々の生活を守る役割を持つ警察官とは思えない、あまりにも悪質な事件を男は起こしていた。

 父親と同じ警察官という道を選んだ男は、平成30年11月の犯行当時、伏見署管内の交番に勤務していた。共働きの妻との間には小学生の長男、長女がおり、さらには3人目の誕生を待つばかり。どこにでもありそうな、普通の家庭だった。

 ただ違ったのは、男が外国為替証拠金取引(FX)などの投資にはまっていったこと。仕事のストレスなどから買い物を続けたことで借金が重なり、返済のために27年から投資を始めたが、うまくいかずに借金はさらに増加。男と妻の年収は合わせて約1千万円だったが、事件当時、夫婦の預金残高は約30万円にまで減少していた。結果的に男が投資で失ったのは2千万円近くに上ったという。

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