今年の映画興行は、邦画と洋画を合わせた興行収入(興収)が、比較可能な平成12年以降で最高となる見込みだ。
東宝などによると今年の興収の総額は2550億円に達しそうで、これまでの最高2355億円(28年)を約200億円上回る。
映画に関する調査会社、興行通信社によると、今年は興収50億円以上の作品が12作あった。そのうち「天気の子」(140・4億円)、「アラジン」(121・5億円)、「トイ・ストーリー4」(100・8億円)の3作は、100億円を超えた。
「100億円超えも50億円超えも多いという豊作の年だった」(東宝の吉田充孝・映画営業部長)
観客動員数は約1億9000万人に達する見込みで、昭和47年の約1億8700万人に並ぶ水準。6月にシネコン大手が鑑賞料金を1900円に100円値上げしたが、客足に与える影響はなかった。
映画関連4団体で構成する「映画館に行こう!」実行委員会は「映画人口2億人」を目標に掲げるが、東宝の松岡宏泰常務は、「目標達成の手応えを感じた年だった」と話した。
ランキングではアニメ作品の人気が目立つ。全体の1位は、邦画アニメ「天気の子」。邦画は2位「名探偵コナン 紺青(こんじょう)の拳(フィスト)」(93・7億円)もアニメだ。3位「キングダム」(57・3億円)は山崎賢人さんら若手人気俳優が多数出演した実写だが、ベスト10のうち6作をアニメが占めた。
洋画も2位「トイ・ストーリー4」と3位「アナと雪の女王2」(82・8億円)はアニメ。1位「アラジン」や「ライオン・キング」(66・6億円)はアニメの実写化なので、洋画も5作をアニメと関連作が占めた。