アジア開発銀行(ADB、本部マニラ)の中尾武彦総裁(63)が16日、退任した。退任式のあいさつで、7年近くの在任中に加盟68カ国・地域のほとんどを訪問したと述べ「開発に対する情熱、歴史の重み、文化に対するプライドを感じた」と振り返った。
中尾氏は財務省国際局長や財務官を経て2013年4月、9代目のADB総裁に就任。医療や教育分野でADBの業務を拡大したほか、主に低所得国対象の「アジア開発基金」と中所得国向けの「通常資本財源」を統合し、融資の大幅拡大につなげた。
後任の総裁には、同様に財務省財務官を務めた浅川雅嗣氏(61)が17日付で就任する。(共同)