全日本空輸とソフトバンク系のSBドライブなど4社は22日から、羽田空港で電気自動車(EV)の大型バスを使った自動運転実験を開始した。今夏の東京五輪の訪日客向けに実用サービスを目指す考え。中部国際空港でも同時期の自動運転バスの実用化に向けた調整が進められているが、より実用性が高い大型バスによる空港での自動運転サービスは、国内初となる見通しという。
羽田空港の自動運転実験では、中国大手EVメーカー「比亜迪(BYD)」の57人乗り大型EVバス「K9RA」を全日空が購入し、自動運転システム開発ベンチャーの「先進モビリティ」(東京都目黒区)がセンサーやカメラを車内外に搭載するなど改造。羽田空港第2ターミナルの制限区域内の約1・9キロメートルの区間を走らせる。遠隔地から乗客の安全確認や車のドアの開閉などができるSBドライブのシステムを主に使って運転する。
全日空は、地上業務の人手不足の解消や作業負荷の軽減などを目的として、空港での自動運転車両の実験を平成30年2月から実施しており、今回が3度目。今回は走行中の車両がレーダーで感知した位置情報をあらかじめ撮影した走行経路の3次元地図と照合しながら、位置を確認する仕組みが採用された。
全日空の清水信三専務は「東京五輪まで200日を切った。世界中から注目される機会に、新技術に触れてもらえるようにしたい」と述べた。