【ソウル=桜井紀雄】韓国政府は、30、31日にチャーター2機を中国・武漢市に派遣し、帰国を希望する韓国人約700人を帰還させる計画だった。
現地の韓国人には、30日朝に空港付近に集合するよう伝えられていたが、同日未明に急遽(きゅうきょ)、遅延が通知された。中国側の飛行許可の変更に伴うもので、韓国政府は30日夜にもチャーター1機を派遣できるよう中国側と調整を続けている。
チャーター機で帰国した韓国人は、症状がなくとも全員が中部にある公務員の研修施設2カ所で、ウイルスの潜伏期間を考慮して2週間隔離される。発症すれば、国指定の医療機関で隔離治療を受ける。
政府側は当初、隔離場所として別の地域を言及したたが、地元住民らの反発を受けて変更。帰国者の収容が決まった施設の周辺住民も強く抗議し、トラクターで施設前の道をふさいだりして抵抗した。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は30日に開いた対策会議で「皆さんが心配しないよう、政府が手抜かりなく管理する」と強調し、地元住民らに理解を求めた。