米中西部アイオワ州で3日行われた大統領候補指名争いの初戦、民主党党員集会は、接戦を展開する急進左派のサンダース上院議員と穏健派のバイデン前副大統領の激突が注目された。両氏は「打倒・トランプ大統領」に向け、続く11日にある東部ニューハンプシャー州予備選など指名争い序盤での躍進を誓った。(アイオワ州デモイン 上塚真由、黒瀬悦成)
■ぶれない政治姿勢
「われわれは、アイオワでよい結果を出したと強く感じている。きょうはドナルド・トランプの終わりの始まりだ」。3日夜、デモイン市内のホテルで、支持者の前に姿を現したサンダース氏は、満面の笑みで初戦の手応えを語った。
サンダース氏は「国民皆保険」や公立大学の授業料無償化、学生ローンの全額免除などを主張し、若者の熱狂的支持が目立つ。アイオワでも若者層に支持が広がり、CNNが3日に行った現地調査では、17歳から29歳の48%がサンダース氏に投票すると回答した。
3日夜の集会に参加した大学生のメラニー・シュナーさん(20)は「他の候補に比べて主張が変わっていない。政策を公約通りに実現するのはサンダース氏だ」と語った。
サンダース氏のぶれない姿勢は支持者には魅力的に映る一方、穏健派層にどれだけ浸透するかは不透明だ。同氏は「この国はわれわれのためにあって、1%の富裕層のものではない。アイオワのメッセージは全国に届いている」と支持拡大に自信をみせた。
ニューハンプシャー州は革新派が強い土地柄とされる。サンダース氏は同州で他候補を引き離し、その後の指名争いを有利に展開し得るとの見方も多い。
■「勝てる候補」
バイデン氏は、デモイン市内にあるドレーク大学の講堂にジル夫人と一緒に登場。快活な口調で「いい気分だ」と語り、今後の指名争いで着実に勝利していくことに自信を示した。