【パリの窓】親を悩ますグレタ現象



 今年も権力者に圧力をかける―と新年の抱負を語るグレタ・トゥンベリさん=2020年1月3日、ストックホルム(共同)

 新聞で「うちのグレタちゃん」という記事が目に留まった。17歳の環境活動家の影響で、高校生の娘が肉食をやめ、プラスチック容器を家から追放する、という親の悩み相談だった。

 「グレタ現象」は広がる一方。温暖化対策を理由に「飛行機は嫌。家族旅行は電車で行けるところに」と訴える子供が増えているそうな。親がいなすと、「私の未来を台無しにする」と糾弾されかねない。

 先日、イートインカフェで総菜を頼んだら、木製フォークが出てきた。市販のアイスクリームについてくる木ベラの先に、切れ込みを入れたようなもの。これでサラダを食べるのは至難の業だ。皿は、硬いクラッカーでできている。パンの代わりに「皿を食え」ということらしい。エコ消費は「我慢も味」のようで、店は結構にぎわっていた。

 若者向けの靴や洋服でも「プラごみ対策」「リサイクルの取り組み」をメーカーごとに点数評価する携帯アプリが人気を集めている。低評価だと客離れを招くから、各社とも真剣だ。

 若者だけではない。記者仲間で食事に行ったとき、フランス人男性2人組が「肉はやめた」という。「牧畜は温室効果ガス排出量が多いしね」「健康にもいい」と盛り上がっている。以前は真っ赤なステーキが好物だったのに…。グレタおやじも増殖中だ。(三井美奈)



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