台湾の次期副総統が訪米、米大統領の会合に同席


 【台北=田中靖人】台湾で5月に副総統に就任する頼清徳(らい・せいとく)前行政院長(首相に相当)は7日(現地時間6日)、訪問先のワシントンで、トランプ米大統領らが出席した大型の朝食会に参加した。台湾当局は「私人」の訪問としているが、台湾メディアは首都を訪問する当局関係者としては1979年の米台断交後、最高位で「米国の台湾支持のメッセージ」と報じた。

 朝食会は毎年2月に大統領や政府高官、上下両院議員ら3千人超が出席して開かれる。台湾の中央通信社によると、頼氏は最前列で、ポンペオ国務長官の隣のテーブルに座ったという。例年は台湾の駐米代表が招かれていた。

 中央通信によると、頼氏の出席は昨年1月の行政院長退任後に決まっており、今年1月に副総統に当選した後、米側に確認したところ反対されなかった。

 頼氏は現地時間3日にワシントンに到着。共和、民主両党の上院議員と面会し、5日にはホワイトハウス脇の国家安全保障会議(NSC)の建物で政府職員と会談した。

 台湾の外交部(外務省)は6日の記者会見で、「必要な協力はした」としつつも、「私人」だとして詳細な回答を避けた。中国外務省の華春瑩(か・しゅんえい)報道官は6日、頼氏訪米について米国に「厳正な申し入れ」を行ったと明らかにした。

 蔡英文総統は2015年6月、総統候補としてワシントンを訪問。中国国民党の馬英九氏は08年の総統当選後、「次期総統」として就任前の訪米を計画したが成功しなかったとされる。



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