市川右團次(56)、市川右近(9)親子が3月、全国を巡業して開催される歌舞伎舞踊公演「伝統芸能 華の舞」で「連獅子」を共演する。右團次が「連獅子」への思いを語った。
右近は、右團次が46歳のときの子。「彼が15歳ぐらいになると、僕は60歳ぐらいになってしまう。彼には早く大きくなってほしいし、僕もできる限り元気でいて、いつか『連獅子』を親子で踊りたいと思っていた」という。
その夢は、早くも実現。昨年のラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会の開会式で、「連獅子」を親子で共演した。出演の話が出た当初は、「毛振りとか激しい動きもあるし、9歳の少年にできるのかという不安があった」と躊躇(ちゅうちょ)したという。
実は、W杯の公式マスコットキャラクター「レンジー」は、「連獅子」の親子の獅子がモチーフ。しかし親子でなくカップルと誤解している人も多く、本当の「連獅子」を世界に発信したいという思いで、親子共演が実現した。
W杯の開会式では2分半ほどの抜粋だったが「彼ががんばって勤めてくれたので、ひょっとすると親子で共演できるかもしれない」と本公演での共演も決まり、40分強の舞台を勤めることになった。
演目はほかに「吉原雀」「二人椀久」。神奈川・関内ホール(3月15日)、千葉・習志野文化ホール(同16日)、東京・北とぴあ さくらホール(同17日)など全国10カ所で17公演。問い合わせは、Zen-A(ゼンエイ)、03・3538・2300。