肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの日本国内での感染拡大の恐れが判明したことで、政府にとっては国民の不安払拭に向けた的確な情報提供が課題となりそうだ。
菅義偉官(すが・よしひで)房長官は14日の記者会見で「国民の不安をしっかりと受け止める」としたうえで、診療態勢の整った医療機関などに関して「丁寧に情報を提供していきたい」と強調した。
厚生労働省は感染の恐れがある場合、各地域の「帰国者・接触者相談センター」への電話相談を呼びかけているが検査可能な病院は公表していない。加藤勝信厚労相は記者会見で、平成21年の新型インフルエンザ流行の際に病院名を公表した結果、一部地域で受診希望者が検査可能な病院に殺到し、救急患者の対応に支障が出た経験を踏まえての対応であると説明した。
政府高官は「渡航歴のある人と(単に症状がある人と)は明確に区別するよう指示している。新型インフルの時は同じ病院を案内してパニックになった」と振り返った。
一方、公明党の斉藤鉄夫幹事長は14日の党会合で、安倍晋三首相が記者会見をするよう求めた。正確な情報提供を促すもので、政府側は検討する考えを示した。(市岡豊大)