「見たことのない大コント」 青木豪の“笑えるシェークスピア” 前山剛久主演で「十二夜」上演

[ad_1]



「必ず面白い舞台になる」と手応えを話す舞台「十二夜」演出の青木豪(左)と主演の前山剛久(兼松康撮影)

「必ず面白い舞台になる」と手応えを話す舞台「十二夜」演出の青木豪(左)と主演の前山剛久(兼松康撮影)

 劇団四季の「恋におちたシェイクスピア」の演出を手掛けた青木豪(52)の上演台本・演出による「十二夜」が3月、東京と大阪で上演される。7年前の上演では、“笑えるシェークスピア”として絶賛された同舞台。今回、ほぼ新キャストのパワーアップした形で上演となる。主役のヴァイオラ役を務めるのは、2・5次元舞台「刀剣乱舞」の鶯丸役でも人気を博した前山剛久(29)。青木は「見たことのない大コント芝居になっている」と胸を張る。  (文化部 兼松康)

 青木が手掛けた「恋におちたシェイクスピア」は、劇団四季にとって12年ぶりのストレートプレー、そして外部演出家の招聘(しょうへい)は実に50年ぶりという作品だった。青木は平成24~25年、文化庁新進芸術家派遣制度で英ロンドンに留学。帰国直後に、前回上演の「十二夜」の演出を手掛けた。

 「もともとシェークスピアが好き。四季の『恋におちた…』の最後が、これから『十二夜』を書くみたいなところで終わるので、また『十二夜』をやりたいなあという思いがふつふつと沸いてきた」

 7年ぶりの上演に至った経緯をこう話す。

 主演の前山は、28年の青木によるシェークスピア作品「お気に召すまま」で、女装してロザリンド役を好演。その縁もあったが「2・5次元舞台で売れて。売れてる人は人目にさらされる分、きらめいてその人の実力を上げるから、また一緒にやりたいと思って」と青木は、主演への抜擢(ばってき)を説明する。

 前山は、2・5次元舞台の出演を、「もともとアニメなどの原作を再現するという意味で、普通ではありえないが、ものすごいエネルギーがある。そういう環境の中で、一回り大きくなれた感もある」と話す。

 それを経てのヴァイオラ役について、「(ロザリンドもヴァイオラも)女装して、しかも途中で女性役なのに男装するという、似たような役どころ。でも最初に(出演の)話を伝え聞いた際には、『お気に召すまま』の再演と思っていて。フタを開けたら『十二夜』だったのでびっくりした」と笑う。

 7年前の舞台は「観客として見ていた」という。その後に「豪さんと舞台をやりたいと思ったのも、この『十二夜』を見たのがきっかけ」といい、ヴァイオラ役での主演に力が入る。

     ◇

 シェークスピア作品といえば、高尚なイメージもつきまとうが、青木のそれは決して、そうした難解さなどがないのも特徴だ。

 「出ている人も違いますから」と青木。確かに、7年前と今回と両方、出演するのは、お笑いトリオ「我が家」の坪倉由幸(42)のみだ。「出ている人が違う以上、前と同じにやっても面白くない。この人だったらどうやると面白いかと毎日考える。役者の皆さんも気づいたことがあれば広げてくれる」という。大胆に省くところもあり、現代風のアレンジを施す部分もあり、演出家としての青木の“タクト”が存分に発揮される。

 前山も「前の『十二夜』を見たときに、僕ならこうする、という思いもあったので、豪さんにお願いして変えた部分もあった」といい、“青木ワールド”でのびのびとヴァイオラを演じているようだ。

     ◇

 青木は「蜷川(幸雄)さんや劇団四季、それに歌舞伎のシェークスピアを見て育ち、すてきだと思ってこの世界に入った人間」と自らについて話し、「50歳も過ぎて、次の世代にシェークスピアの面白さを分かってもらうにはどうすればいいか」と考え、取り組んできたという。

 海外のラップ音楽が日本に入ってきた際、「『Say Yeah!』というノリではピンとこなかったのを、スチャダラパーがドリフターズのいかりや長介さんよろしく、『オイーッス』と言って、観客も『オイーッス』と返すようになって、腑に落ちた」という。つまり、いかに見る人や聞く人に合わせてわかりやすくするか。それが反映されたものが、青木のシェークスピア作品の面白さとも言えそうだ。

 「好きで見てはいたけれど、一生シェークスピアをやりたい、という男でもない。雑食なので。ハンバーグあたりがシェークスピアなら、刺し身定食はチェーホフ。ハンバーグを食べる日もあれば、刺し身定食やラーメンを食べる日もある」と青木。前山は「他のシェークスピア作品も見たけど、豪さんのシェークスピアが一番面白い。戯曲の翻訳そのものが難しい場合もあるので、高尚に捉えられがちだけど、もともとはもっと大衆演劇に近いもの。豪さんの解釈が一番自分にハマるんでしょうね」と話す。

 「シェークスピアは難しくない。この作品がその入り口になれば。予習をしていない人も、予習をちゃんとした人にも楽しめる舞台になっている」と前山は、主演舞台を前に腕をぶす。青木の“ハンバーグ”の味付けは、大葉おろしかはたまたドミグラスソースか。その味付けの中で前山がどうヴァイオラを演じるか。実に楽しみだ。

 舞台「十二夜」は3月6~22日、東京都世田谷区の本多劇場(チケット問い合わせはサンライズプロモーション東京0570・00・3337)。同29~31日、大阪市阿倍野区の近鉄アート館(同キョードーインフォメーション0570・200・888)。

[ad_2]

Source link