フジ「アライブ」高野舞監督 元柔道選手が初チーフ挑戦中

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柔道選手から初チーフへ。高野舞監督は作品を世に発信し続ける=東京・江東区の湾岸スタジオ

柔道選手から初チーフへ。高野舞監督は作品を世に発信し続ける=東京・江東区の湾岸スタジオ

 「目標がないとやれないし、一番になりたいと思えなければやれません」

 フジテレビ系で放送されている木曜劇場「アライブ がん専門医のカルテ」(木曜後10・0)の高野舞監督(39)=編成制作局第一制作室主任=は語る。それはごく自然に出てきた言葉である。

 初のチーフとなって挑んだのは、日本のテレビドラマとして初めて腫瘍内科を舞台にしたメディカル・ヒューマン作品。松下奈緒主演で木村佳乃、清原翔、岡崎紗絵、田辺誠一、北大路欣也らが出演している。

 これまでに1、2、6話を演出。最終話(3月19日)も担当する。「チーフはずっとやりたいと思っていたので、やっとこのタイミングがきたか、と。やりがいを感じてスタートしました」と高野監督。ドラマについては「がんを扱うので苦しくて見られないという人もいるかなと思ったが、医療関係者からはいい声をいただいているので多少安心しました」と手応えを感じているようだ。

 快活に理路整然と話す。実は、現在の宝塚風の印象からは想像もつかない異色の経歴の持ち主。“柔道一直線”だったのだ。

 「小6でバルセロナ五輪(1992年)の古賀稔彦選手(男子71キロ級金メダル)に憧れて柔道を始め、中学の全国大会で優勝。大学(慶應)まで続けました」

 シドニー五輪(2000年)、アテネ五輪(04年)の48キロ級金メダリスト、ヤワラちゃんこと谷亮子選手とも当時の強化合宿で顔を合わせている。

 「試合はなかったが、練習で何度も。ものすごく強かった。ボコボコにされた。中3ながら“将来柔道で食べていくのは無理だな”と現実を見た感じ。強い高校に入るのは決まっていて、五輪への淡い夢もあったが“五輪に出ることはすごいことなんだ”と改めて実感しました」

 やがて「スポーツに関わりたい」と04年、同局に入社。スポーツ局希望だったが、研修期間中に触れたある部署に興味を持った。それが制作局だった。

 「選手の結果を伝えるのではなく、ドラマでゼロから何かを作るというプレイヤーとしてやるのは楽しいかな、と。先輩方がとても楽しそうに現場の仕事をやられていたのが一番大きな理由です」

 入社1年目でドラマ班へ。助監督(アシスタントディレクター)として最初についた作品は「人間の証明」(04年)。松下との出会いはそこからだ。

 その後、「第23回フジテレビヤングシナリオ大賞」作品の「君は空を見てるか」(11年)で監督デビューした。

 過酷といわれる助監督時代もやめたいとは思わなかったという。

 「やめるという選択肢はなかった。やめると思えるほど何かを知った気にはならなかった。悔しかったらまだやれる、まだやりたいと思える方向の人間なので。だって声を出して、走って、ほめられる仕事ってすごいな、と。ですから、1年目は天職だと思った。2年目からは責任が覆いかぶさってきて壁にぶつかりましたけど」

 ターニングポイントとなった作品に「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」(14年)を挙げる。初の二番手で、後に“師匠”と慕う西谷弘監督のもとで薫陶を受ける。

 「白い巨塔」「ガリレオ」などでも知られる西谷監督については「作品に命を懸けている。そんな監督に出会ったことがなかった。全責任を背負っているからここまで真剣に、時にはキレながら仕事を進める。そんな姿勢を学んで、盗んで…」と振り返った。

 チーフとして大事にしていることは、世界観。「あまり美しすぎない、人間くささを出したい。今回も何でもない日常のシーンを大切にしている。今後もヒューマン、家族ものを撮っていきたい」という。

 CSで放送された「十九歳」(17年)では、同局の鹿内植プロデューサーから「細やかな心情描写に長けた演出」と高く評価された。

 現在は柔道もやっていなければ、ジムすら通っていないという。それが冒頭の言葉「目標がないとやれない」につながる。

 「社会人になったらやらないと決めていた。ただ走るというだけではモチベーションが上がってこないんですよ。だから、この仕事を始めたとき、何が一番か分からなかった。柔道だと大会があって優勝を目指せばよかった。ドラマって賞を目指せば? 視聴率? 評価はないのかと悩んだ時期もあったけど、今はもうない。今は面白いもの、自分の好きなものを世の中に出す仕事の楽しさを知りました」

 「筋肉バキバキだった」という柔道選手の当時から、きゃしゃな体型に変身した今、「体力と精神力…それしか取り柄がないので」と恐縮しながらも頼もしいチーフ監督が誕生した。(産経デジタル)

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