【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮が2日に東部の元山(ウォンサン)付近から飛翔(ひしょう)体2発を発射したことに関し、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の妹の金与正(ヨジョン)党第1副部長は談話で「自衛的行動」だと主張した。朝鮮中央通信が3日夜に報じた。同通信は3日朝、正恩氏が2日に朝鮮人民軍の「前線長距離砲兵区分隊」の火力打撃訓練を現地で指導したと報じていた。
与正氏はまた、飛翔体発射に強い遺憾を示して中断を求めた韓国大統領府に対し、「分不相応でふざけた行動だ」とした上で、「不信感と軽蔑が増すだけだ」と非難。大統領府の言動を「3歳児と大して違うようにはみえない」とも揶揄(やゆ)した。
与正氏が談話を発表するのは初めて。兄の信任が厚いとされるが、公式にも“代弁役”を果たす重要な立場に立ったことが読み取れる。
2018年の平昌五輪の際に訪韓した与正氏を韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権が重要視していることに付け入り、文政権を揺さぶる狙いもうかがえる。