パナソニックは令和2年春闘で、基本給を底上げするベースアップ(ベア)に相当する賃金改善の代替として、年金の増額を労働組合に提示したことが10日、分かった。電機各社はベア要求額と回答額をそろえる統一交渉を続けてきたが、電機連合が今春闘で回答のばらつきを初めて容認した。パナソニックが妥結すれば労使交渉の転換点になる可能性がある。
パナソニックは労使交渉で、従業員が運用する「企業型確定拠出年金」について、会社側が支出する掛け金を増やす案を示した。改善額は千円を軸とする。労組はあくまでベアを求めており交渉は難航している。年金増額案は実現しない可能性もある。ベアや他の福利厚生と組み合わせた賃上げも交渉の課題となる。