電通が11日発表した令和元年の国内の総広告費は前年比6・2%増の6兆9381億円で、8年連続のプラスとなった。インターネット広告が19・7%増の2兆1048億円となり、2・7%減の1兆8612億円だったテレビ広告を初めて上回った。電通は「広告業界の転換点となった」とコメントした。
ネット広告は6年連続で2桁の伸びとなり、初めて2兆円を超えた。巨大IT企業など「プラットフォーマー」を中心に高い成長を続けており、特に動画広告の伸びが顕著だという。
テレビ広告は、地上波が2・8%減の1兆7345億円だった。ラグビーワールドカップ(W杯)などスポーツ関連は好調だったものの、天候不順で広告出稿を控える動きもあり、3年連続の減少となった。衛星放送も0・6%減の1267億円だった。
新聞広告は部数減少の影響が続いており、5・0%減の4547億円。雑誌広告は9・0%減の1675億円だった。
総広告費は元年から集計項目を増やした。前年と同様の項目で比較した場合は1・9%増。