【北京=三塚聖平】日産自動車は13日、中国湖北省襄陽(じょうよう)市の四輪車工場で生産を再開したことを明らかにした。肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、約1カ月半に及ぶ操業停止が続いていた。同社によると、これにより中国にある全ての完成車工場で生産を再開した。
湖北省では感染拡大防止のため省内の企業に3月10日まで休業を求めていた。同省政府が企業の再開を一部で認める通知を出したことを受け、既にホンダは同省武漢市の四輪車工場で少量の生産を11日に始めた。湖北省は自動車産業の集積地であり、生産再開は世界のサプライチェーン(供給網)にも影響を与える。
中国各地では操業再開の動きが進むが、本格的な回復に至るには時間がかかる見通し。人手不足のほか、消費低迷による需要の落ち込みが響いていると指摘される。感染拡大の影響により中国での販売は打撃を受けており、トヨタ自動車、ホンダ、日産、マツダの日系大手4社の2月の新車販売台数は前年同月比で7~8割減と急激に悪化している。