工事の中止により市が損失を被ったとして、山形県天童市は18日、山本信治市長、新関茂副市長をそれぞれ減給10分の1(3カ月)、同(1カ月)とする特別職の給料減額条例案を3月定例会に追加提案し、可決された。
市によると、市内を流れる倉津川の「流域雨水流出整備工事」で、地元住民への説明が不十分なため工事が中止になり、受注業者に和解金約200万円を支払う損失を被ったという。
平成25年の大雨の際、一級河川の倉津川に流れ込んだ雨水があふれ、県道が冠水。市は30年9月、近くの桝賀公園の地下に調整池を造成し、冠水を防ぐ工事を計画した。
その後、工事予定の町内会長への事前説明で住民説明は終えたとし、地元土木業者に2億1千万円で発注。だが、騒音や振動を心配する住民から「事前説明がない」と反対意見が出た。工事は中止になり、契約も翌10月に解除になった。
受注業者は昨年9月、県建設工事紛争審議会に仲裁を申請。市議会は先月、市が受注業者に和解金207万3600円を支払う和解案を可決した。
今回の処分では、市長と副市長のほか、当時の担当だった50代の男性建設課長を戒告処分にするなど計2人を懲戒処分。元建設部長を文書訓告相当とした。
市は「多くの関係者のみなさまにご迷惑をおかけし改めておわびしたい。今後事務事業の適切な執行に職員一丸となり取り組みたい」とし、工事計画を令和2年度中に修正し、周辺住民に再度説明をしていきたいとしている。