【アイ・ラブ・ニューヨーク】コロナ禍と銃社会





16日、米南部ジョージア州で銃を購入する女性(AP)

 新型コロナウイルスの感染拡大の懸念が高まり、ここ数日、米国で目立つのは銃を買い求める人が増えているというニュースだ。

 米紙ニューヨーク・ポストによると、ニューヨーク州ナッソー郡にある銃の販売店には17日、30人ほどが列を作り、入店規制が行われたという。ニューヨーク市から銃を買いに来た男性(53)は、「事態がもっと深刻になり失業者が増えたら何が起きるか分からない。家族のため何か身を守るものが必要だ」と語った。物資不足などで暴動が起きた場合の備えとして購入を急ぐ人が多いという。

 米国では凶悪な銃乱射事件が起きるたび、規制強化を求める声が高まる一方、「自衛のため」として購入者が増えるという状況が繰り返されてきた。銃所持の権利が憲法で認められているとはいえ、非常事態が起きると、何でも銃に結びついてしまうのは米国の悲しい現実だ。

 生活必需品の買い占めで人々のストレスは募る。西部カリフォルニア州サンタクララでは大型小売店などで客同士の口論が絶えず、地元警察が「行列の割り込みで警察に通報しないように」と住民に呼び掛けた。

 ニューヨーク市内ではスーパーの行列でも隣の人と冗談を言い合う余裕があるが…。コロナ禍が二次的な事件を生まないことを祈るばかりだ。(上塚真由)



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