高齢者施設で多数の遺体 仏・スペインで集団感染続発





24日、複数の遺体が発見されたスペイン・マドリードの高齢者施設(AP)

 【パリ=三井美奈】新型コロナウイルス感染が広がる欧州で、高齢者施設での集団感染が相次いで発覚している。スペインでは十分な介護を受けず、多数の入居者が施設内で死亡していたことが分かり、検察が捜査を開始した。

 スペインでは今月、消毒作業で高齢者施設を訪れた軍兵士が、感染者や遺体を発見した。ロブレス国防相は地元テレビで「施設には見捨てられた人たちがいた。自分のベッドで死んでいる人もいた」と証言。検察は23日、捜査着手を発表した。

 同国紙パイスによると、マドリード近郊の施設では17~19人の遺体が見つかり、職員を含めて70人以上が感染していたことが分かった。職員は予防手段がなく、台所用ゴム手袋を着けて介護をしていたという。「感染が疑われる患者が出て救急隊に連絡すると、『対応できない』と言われた」いう証言もある。

 フランスでも東部ボージュ県の施設で23日、約160人の入居者のうち、感染の疑いで20人が死亡していたことが分かった。パリなどほかの地域でも集団感染が見つかっており、仏保健省高官は記者会見で、高齢者施設への監視を強化する方針を示した。



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