新型コロナウイルスの感染防止のため、多くの舞台芸術活動が中止を余儀なくされる中、劇作家らが呼びかけ人となって30日、アーティストやスタッフへ適切な補填(ほてん)を求める要請書を、内閣府と文化庁に提出した。これに賛同する俳優、中嶋朋子さんや劇作家、渡辺えりさんら、演劇関係者約1800人の署名も添えた。
提出されたのは「舞台芸術関係者に対する適切な補填を求める要請」。その中で、(1)中止公演について、すでに支出した経費の主催者への補填(2)それ以外、主催者から支払いを受けられない公演関係者への、出演料などの補填(3)客席間隔を広げるなど感染予防対策を行った場合、主催者への適切な補填-を求めた。呼びかけ人は劇作家、ケラリーノ・サンドロヴィッチさんら10人で、わずか10日で約1800人の賛同者の署名が集まったという。
要請後、都内で会見した劇作家、シライケイタさんは「政府要請に従って、(公演)中止を余儀なくされ、補填も補償もないまま倒産や失業の危機にある仲間たちがいる」と厳しい現状を訴え、また音楽家の鈴木光介さんは「10年後、20年後の演劇を守るため、支援を呼びかけたい」と話した。
文化芸術活動の自粛に関しては、超党派の国会議員による文化芸術振興議員連盟(河村建夫会長)も、アーティストらへの経済的支援などを政府に求める緊急決議をまとめ、萩生田光一文部科学相に提出している。