NHKから国民を守る党が、奇抜ともいえる選挙戦略に打って出る。立花孝志党首は1日、衆院静岡4区補欠選挙(4月14日告示、26日投開票)に、他の政党が推す立候補予定者と同姓同名の新人を擁立すると発表。有権者がどちらに投じたか判断ができない「疑問票」の配分を狙ったものとみられ、次期衆院選でも同様の手法を取る可能性に言及した。
静岡県庁で会見した立花氏は、元江戸川区議で参院議員秘書の田中健氏(54)を同補選に擁立すると明らかにした。同補選には立憲民主、国民民主、共産、社民4党が野党統一候補として推薦する元都議の無所属新人、田中健氏(42)が既に出馬を表明している。
立花氏は「同姓同名が立候補したら票の動きがどうなるかを見てみたい。実験をしてみたい」と説明。「うちの田中健にある程度の票が入るなら、次期衆院選で同姓同名の候補を中心に擁立することも検討する」と述べた。
総務省によると、漢字と読み方が同じ同姓同名の立候補者がいた場合、住所や年齢などを票に書き加えて区別する方法がある。どちらか判別できない票は得票割合に応じて振り分ける。
N国が元区議の田中氏をあえて無所属で出馬させ、より判別しにくくさせる可能性もあり、静岡県選挙管理委員会は「具体的な方法は立候補受け付け後に考えたい」としながらも、対応に苦慮している。
N国が当初、同補選に擁立するとしていた「森友学園」前理事長、籠池泰典被告(67)=詐欺罪などで懲役5年の有罪判決、控訴=は出馬をとりやめ、次期衆院選で同党から立候補する予定という。
望月義夫元環境相の死去に伴う同補選には、自民党新人の深沢陽一氏(43)、無所属新人の山口賢三氏(72)も出馬を予定している。