トランプ政権、マスク着用推奨に前向き 米紙は手作り特集掲載



マスク姿の人々が目立つようになった=4月2日、米ニューヨーク(AP)

 【ワシントン=住井亨介】マスクを着用する習慣があまりない米国で、積極的な着用に向けた動きが出ている。無症状の感染者が気付かずに感染を拡大させている可能性が指摘されているためで、トランプ米政権は2日、マスクの着用推奨に向けて検討していることを明らかにした。

 トランプ米大統領は同日のホワイトハウスでの記者会見で、「人々がマスクを着用したければできる」と述べたうえで、不足が懸念されるマスクの代わりに「スカーフはもっと良いだろう。分厚いから」と着用の習慣化に前向きな姿勢を示した。

 医療用ではない通常のマスクは、風邪の症状などがある人が他人にウイルスをうつすのを防ぐ効果はあるものの、感染させられることを防ぐ効果はほとんどないとされる。このため米疾病対策センター(CDC)や世界保健機関(WHO)は無症状の人がマスクを着用するのを推奨してこなかったが、トランプ氏の記者会見に同席したペンス副大統領は、CDCの指針を見直して近く公表することを明らかにした。

 トランプ政権がマスク着用の推奨に傾いているのは、無症状感染者による感染拡大が問題視されているためだ。

 CDCのロバート・レッドフィールド所長は米公共ラジオ(NPR)とのインタビューで、「相当数の人が感染していながら無症状でいる。(その割合は)25%に上る可能性もある」と警鐘を鳴らした。

 感染の急拡大を受け、西部ロサンゼルス、東部ニューヨークの両市長は外出時に布で顔を覆うよう市民に求めた。米紙ニューヨーク・タイムズは4月1日付の紙面で手作りの布マスクの作り方を特集。型紙を掲載して、「医療用でないマスクをすることで市中感染を減らすことができるかもしれない」と訴えている。



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