【ニューヨーク=上塚真由】新型コロナウイルスの感染拡大が深刻な米東部ニューヨーク州のクオモ知事は3日の記者会見で、行政命令を発令し、企業や医療機関から使用していない人工呼吸器を回収する方針を発表した。回収した人工呼吸器は、州兵を動員して新型コロナの治療に当たる各病院に再配分するという。
クオモ氏は2日の時点で「州の人工呼吸器の在庫は、あと6日分しかない」と述べ、医療崩壊への危機感をあらわにしていた。人工呼吸器は世界的に不足が深刻化しており、クオモ氏は3日、「人工呼吸器を再配分できないからといって患者を死なせるわけにはいかない」と強調。回収可能な人工呼吸器は数百台と予想しており、回収後は返却、払い戻しに応じるという。
クオモ氏によると、州内の感染者は前日より1万人以上増え、10万2863人に達した。米国全体の約半数を占め、同州だけで世界最多となっている米国に続く感染者数のスペイン一国に匹敵する規模となっている。3日時点の州内の死者は前日よりも562人増え2935人。1日あたりの死者数は過去最多となった。