任期満了に伴う栃木県矢板市長選が5日告示され、いずれも無所属で、新人の元市議会議長、和田安司氏(59)=自民、公明推薦=と、再選を目指す現職の斎藤淳一郎氏(47)が立候補を届け出た。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、両陣営とも出陣式を取りやめ街頭で第一声を行うなど、対策を取りながらの選挙戦となった。
和田氏は午前11時から同市矢板のホームセンター前の交差点で行った街頭演説で、「今の矢板市は(新型コロナウイルス対策で)市単独の対応策を打ち出せる財政力がない。市職員の力を結集し、国と県と一つになって乗り越えていかなければならない」と訴えた。市長報酬の30%カットや少子高齢化への対応、子育て環境の充実などが公約。福田富一知事や国会議員、自民、公明両党の県議らが応援に駆け付けた。
斎藤氏は午前10時から同市鹿島町の交差点で第一声。会議・イベントの開催判断基準の決定や市独自の緊急支援資金制度の創設など、新型コロナウイルス対策への取り組みを強調し、「争点は改革を止めるか、止めないか。感染対策を前面に押し出して選挙を戦う」と訴えた。公約には、国際医療福祉大塩谷病院の感染症医療に必要な設備導入などへの支援、国と連携した景気対策の実施などを挙げている。
投開票は12日。選挙人名簿登録者数は2万7366人(4日現在)。(伊沢利幸)