【ニューヨーク=上塚真由】米ジョンズ・ホプキンズ大の集計によると、米国の新型コロナウイルスの感染者が8日、42万人を超えた。死者は約1万4000人。米国で最多の東部ニューヨーク州の死者は前日より779人増えて6268人に達し、1日当たりの増加数が最多を更新。一方、入院患者数などは増加ペースを抑えられていることから、ピークに差し掛かったとの見方が広がっている。
ニューヨーク州の感染者数は前日よりも約1万人増の14万9316人となった。一方、入院患者数は前日から586人増にとどまり、4日連続で1000人を大きく下回った。
同州のクオモ知事は8日の記者会見で、死者数の推移について「10~12日前に入院した患者が亡くなっている。死者数は今後、数日間さらに悪化するかもしれない」と指摘。一方、州民に対する外出制限などの措置が「機能している」との認識を改めて表明し、感染拡大の曲線は「予想より少ない感染者数で平らになっている」と述べた。
米政権の新型コロナ対策チームのメンバーであるファウチ国立アレルギー感染症研究所長も8日、米FOXニュースに「この週を乗り切れば、転換の始まりとなる」と述べ、外出制限などを徹底するよう呼び掛けた。
また、米国では所得や人種の格差問題が指摘されており、クオモ氏は「最も貧しい人々が、常に最も高い代償を払っているようだ」と述べ、黒人など人種的少数派(マイノリティー)に深刻な影響を与えていると指摘。ニューヨーク市は8日、新型コロナの死者に占める人種割合を発表し、ヒスパニック(中南米)系が34%(人口比29%)、黒人が28%(同22%)、白人が27%(同32%)、アジア系は7%(同14%)となっているとした。